しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年2月1日(土)

論戦ハイライト

衆院予算委 塩川議員の質問

カジノ管理委は“推進委”

写真

(写真)質問する塩川鉄也議員=31日、衆院予算委

 31日の衆院予算委員会で、カジノ事業者の規制・監督などを行うカジノ管理委員会の事務局に、カジノ誘致のコンサルタントを担う大手監査法人の職員が出向している問題を追及した日本共産党の塩川鉄也議員。コンサルの実態を「認識していない」と無責任な答弁に終始する政府に対し、カジノ管理委は「カジノ推進委員会」だと批判し、カジノ廃止を求めました。

規制・監督する組織に誘致コンサルから出向

 カジノ管理委員会は、安倍晋三首相がうたう「世界最高水準の規制」を実践する中核的組織と位置づけられ、1月7日に発足しました。

 塩川氏は、管理委事務局には、カジノ誘致のコンサルタントをしている大手監査法人の公認会計士3人が非常勤国家公務員として出向し、その給与は年収約281万円だと指摘。政府統計によれば、大手法人の公認会計士の平均年収は1200万円であり、出向元の法人から給与の補てんを受けているのではないかとただしました。

 塩川 出向者は監査法人に在籍したまま管理委事務局で勤務しているのではないか。

 並木稔管理委事務局次長 その通りだ。

 塩川 国から約281万円、監査法人から1000万円近い給与をもらっているのではないか。そうすると、どちらに顔を向けた仕事をするのか。出向元で働くことも妨げないのではないか。公平公正が問われる。

 並木 出向者の勤務時間は1日5時間45分だ。出向元での勤務は困難ではないか。

 塩川 「困難」と言うだけで否定はできない。出向元の意を受けて仕事をしている疑念が生じる。

業者の都合で制度設計 公平公正ゆがめられる

 塩川氏は、「有限責任あずさ監査法人」は、「IR(カジノを中核とする統合型リゾート)誘致に向けた地方自治体の検討を支援する」とカジノ関連業務をPRし、長崎県佐世保市のカジノ誘致に向けた業務を受託していると指摘。「PwCあらた有限責任監査法人」のグループも海外での実績をアピールして「IR市場の創造を支援」などとうたっているとして、政府をただしました。

 塩川 両法人がカジノ事業者や誘致自治体へのコンサル業務を行っていることを知っているか。

 武田良太カジノ管理委員会担当相 承知している。

 塩川 特定の自治体に肩入れするのではないかと疑念が生じる。

 武田 わが国で今まで誰も経験したことのないカジノ事業を管理監督しなければならない。カジノの全体像と細部に至る知見がないと管理できない。

 塩川 カジノ専門の知見というが、(監査法人は)カジノを推進する立場だ。

 塩川氏は、「PwCあらた」は大阪府・市のカジノ事業者選定委員会の一員だと強調し、さらに迫りました。

 塩川 この事実を承知しているか。

 並木 地方公共団体の話であり、認識していない。

 塩川 管理委事務局に特定の事業者・自治体に肩入れする立場の法人が入ることなど認められるのか。公平公正がゆがめられる。

 武田 監査法人が他でどういう仕事をしているか、つまびらかに調べるのは無理だ。

 塩川 ウェブサイトを見ればすぐ分かる。どういう人物かきちんと把握しないで働かせているのか。管理委が特定の事業者・自治体に有利な対応をしないと言えるのか。

 武田 管理委に事業者を選ぶ権利はない。(自治体が)正しく選んでいるかを監督する立場だ。

 塩川氏は、カジノ設置は自治体と事業者が一体で申請する仕組みだとして「そういうところに特別な取り扱いがされる疑念がある。制度設計そのものがカジノ事業者の都合でつくられているのではないか」と批判。「カジノは刑法の禁じる賭博だ。賭博の負けという人の不幸を『成長戦略』とするのはあまりに情けない。負の影響を押し切ってまで推進する必要はない」と強調し、野党が共同提出したカジノ廃止法案の審議・成立を強く求めました。

図

pageup