2020年2月5日(水)
F35戦闘機 欠陥873件 うち「安全性に影響」13件
米国防総省の運用試験評価局は1月30日に米議会に提出した2019年度の年次報告書で、航空自衛隊も導入を進めているF35ステルス戦闘機について、昨年11月4日現在で873件の「未解決の欠陥」が残されており、うち13件は作戦の有効性や安全性に影響を与える「カテゴリー1」に分類されていることを明らかにしました。
同報告書は、「欠陥を修正しても、新たな欠陥が発見され続け、結果としてわずかな減少にとどまっている」と指摘しています。こうした欠陥が重大事故の危険をもたらすとともに、開発コストの高騰につながります。
F35について米国防総省は現在、最新鋭の核爆弾「B61―12」を搭載可能なシステム「ブロック4」への移行を進めており、2020年代半ばまでに核搭載を可能にすることを狙っています。これに関して、報告書は「ブロック4」の機能を導入する前に「解決すべき欠陥が多数ある」としており、計画が遅れる可能性もあります。
報告書は、具体的な欠陥について明らかにしていませんが、米軍事専門紙「ディフェンス・ニュース」(電子版)は昨年6月12日付で、「カテゴリー1」13件の内容を、独自入手した資料を基に報道。▽操縦席内の気圧が急変し、パイロットに障害を及ぼす▽飛行速度がマッハ1・2を超えると機体のステルスコーティングに損傷が加わる―などの欠陥が含まれています。
トランプ政権は同盟国へのF35の売却を進めており、安倍政権も米側の要求に応じ、F35Aを105機、F35Bを42機導入することを決定。同紙は、F35の欠陥による影響が日本などにも及ぶと報じています。
昨年4月には空自のF35Aが青森県沖で墜落。空自はパイロットが平衡感覚を失い、機体の上下の姿勢や方向などを錯覚する「空間識失調」の可能性が高いとしましたが、ブラックボックスが回収されていないため、真相は不明です。