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2020年2月16日(日)

秋元被告会見、疑問だらけ

面会「記憶がない」

元担当副大臣の説明責任は

 安倍政権が「成長戦略の柱」と位置付けるカジノを中核とする統合型リゾート(IR)事業をめぐり、収賄罪で起訴された衆院議員の秋元司被告(自民党離党)。保釈をうけて14日に国会内で記者会見を開いたものの、20分で質問が打ち切りに。秋元被告は「賄賂を受け取ったということはない」と無罪を主張しつつ、国会では説明しない考えを示しました。会見から浮かび上がった疑問点とは…。(丹田智之)


 秋元被告は、中国企業「500ドットコム」などから計約760万円相当の賄賂を受け取ったとして収賄罪で起訴されています。

 起訴状によると、同被告は2017年9月28日の衆院解散日に「陣中見舞い」名目でドットコム社の幹部から現金300万円を受け取ったとされています。会見では「贈賄側と会ったという記憶がない」と現金の受領を否定しました。「会っていない」ではなく「記憶がない」というあいまいな表現での否定です。実際に面会したのかどうか、記録に基づいて明確な説明が必要です。

旅費支払った?

 17年12月にドットコム社の本社がある中国・深圳やマカオのカジノを訪問し、18年2月に家族旅行で北海道留寿都(るすつ)村を訪れた際の旅費などについては「秘書に支払いを指示していた」「支払われていなかったら返したい」と言葉を濁しました。

 実際に支払ったかどうかは、会計帳簿などを見ればすぐに分かる話です。あいまいな説明では通用しません。

 那覇市でドットコム社が主催したシンポジウムの講演料200万円が元政策秘書の会社に振り込まれた事実は、「賄賂ということは考えなかった」として否定しませんでした。

 マカオでブランド品の購入費を同社に負担させたことは「相手側に強引に会計をされた」「雰囲気を悪くするなという思いからそういう(断らない)形になった」などと言い訳に終始しました。

 秋元被告は当時、IR担当の内閣府副大臣でした。職務権限がある者としてカジノ参入を目指す企業からブランド品などを受け取ること自体、許される行為ではありません。

政界工作の実態

 秋元被告は自民党を離党しましたが、現在も二階派に所属しています。ドットコム社側が現金を渡したと供述した自民党などの衆院議員5人についても質問が相次ぎましたが、同被告は「他人のことは全く分からない」と言及を避けました。

 ドットコム社側は、献金で政界工作を狙ったとみられています。秋元被告はIR担当の元副大臣として、政界工作の実態を含め知っていることを国会などで説明する責任があります。

表:カジノ汚職事件の起訴事実と秋元司被告の主張

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