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2020年3月1日(日)

「一律休校」は撤回を

BS番組で小池書記局長(詳報)

 日本共産党の小池晃書記局長は28日のBS―TBS「報道1930」で、新型コロナウイルス感染拡大への対応で、安倍晋三首相が全国の小中高校、特別支援学校に休校を一律に要請したことについて、自民党の佐藤正久元外務副大臣、東京歯科大学市川総合病院の寺島毅医師と議論しました。

小池氏 休業補償とセットで

松原氏 一律の根拠とぼしい

 小池氏は、首相の要請をどう見るかと問われ、政府の対応がちぐはぐで、なぜ全国一律の要請にしたのか根拠が示されていないと指摘。「同時に、保護者の休業補償など必要な手だてとセットでやらなければ国民は不安になるだけだ。一律休校の措置は撤回して、改めて各自治体が判断するとすべきだ」と主張しました。司会の松原耕二氏は、「焦ったかのようにいきなり一律に要請する。何か根拠が乏しいなと感じる」と発言。国際情報誌『フォーサイト』元編集長の堤伸輔氏は「今回の全国一斉の休校は明らかにオーバーシュート(急激な過剰な動き)だ」と批判しました。

 松原氏は、全国一律休校によって、働く親が仕事を休まざるを得ない事態への懸念があると述べました。

小池氏 中小企業支援を含め

大村知事 小池さんの言う通り

 小池氏は「感染拡大のリスクを減らす、あるいは子どもの命を守るために休校にすることは選択肢としてはあると思います」と指摘。そのうえで「ただ、そのメリットとデメリットをどう見るかです。今回は圧倒的にデメリットが大きい。(政府の政策の)中身は非常にちぐはぐで、学校は休みだが、保育園や学童保育は続けることになっています。学童保育は人手不足などで、そもそも大変な状態にあります。学校は休校にしながら、学童保育で子どもをみていくというのは矛盾してないかと思われるのは当然です。そういうことに手当てが全くされていない」と主張。「(政府は)雇用調整助成金がありますというけれど、雇用調整助成金は雇用保険に入っていないと出ませんから、フリーランスの人、自営業主などの人は出ません」と批判しました。

 中継で討論に参加した大村秀章愛知県知事が、「首相要請について学校教育、保育園、学童保育、企業倒産、中小企業の対策。こうしたことを含めて対策もセットで国の責任を示してほしい」と発言。小池氏は、学童保育を全日にする場合の財政負担について、文科省は、その財源は3分の1を市町村が負担するとしていると指摘。「国から要請しておいて、(負担は)市町村が持ちなさいというのはだめだ。今回の最大の問題は、強制に近い形で言っておきながら法的拘束力はないといって国が逃げている。中小企業支援も含めてお金を出させないと大変な被害が自治体にも及ぶことになる」と強調しました。大村氏は「小池さんの言われた通り。国の対策はセットです」と応じました。

 堤氏が学童保育で休校時の子どもをあずかることについて「学童保育は学校の空き教室や児童館などでやっている。狭いところに学年を超えてお子さんたちがいるわけです。接触は普通の学校のクラスより多くなります」と指摘しました。

松原氏 別の行動あるのでは

小池氏 自治体ごとに判断を

 小池氏は「今回の一番の被害者は子どもだ」と主張。文科省の通知の冒頭に「新型コロナウイルスの感染の拡大を防止するための臨時休業の措置であるという趣旨を児童生徒に理解させ、人の集まる場所等への外出を避け、基本的に自宅で過ごすよう指導すること」と書かれていることを指摘し、「1カ月間も子どもを自宅で過ごすように指導する。こんなことをやったら本当に子どもにストレスがたまってしまいます」と批判しました。

 松原氏は、小中学校の休校にともなって、看護師が不足したため病院が新しい患者の診療を中止している例をあげて、「社会インフラが厳しいところは、一斉じゃなくて制限するとか、別の行動もあるのではないか」と述べました。

 小池氏は「医療に危機的な状況をきたすようなところは除外するなど、国は一律に休校という方針を撤回して、自治体ごとに判断できるようにするべきです」と強調しました。

 また、マスク、ガウン、ゴーグルなど医療機関に対する感染防御の装備の支給は急務だと指摘し、「あまりにも(コロナ対策の予算の)財政規模が小さすぎる。153億円だ。ほとんどお金を出していないわけです。国会では野党が約2500億円の予算の組み替えを提案しました。これを与党は否決した。米国では2800億円、シンガポールは5000億円の予算です。参議院では予算を修正させましょう」と訴えました。


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