2020年3月3日(火)
3・1ビキニデー集会
日本共産党のメッセージ
日本共産党が、開催予定だった被災66年2020年3・1ビキニデー集会に送ったメッセージを紹介します。
被災66年2020年3・1ビキニデー集会に際し、心からの連帯のあいさつを送ります。
1954年3月1日、南太平洋・ビキニ環礁でアメリカが強行した水爆実験は、第五福竜丸をはじめとする1400隻もの漁船と周辺の島民に甚大な被害をもたらしました。わが国では、これをきっかけに、原水爆禁止の署名運動が大きく発展し、翌年に第1回の原水爆禁止世界大会が開催されました。この歴史を思い起こし、運動を大きく発展させることが、いま強く求められています。
米ロをはじめとする核大国は核兵器を使用する姿勢を強め、核軍拡競争の再燃も懸念されています。米トランプ政権は、新たな海上発射型核弾道ミサイルの配備を発表しました。ロシアも対抗して、新兵器の開発をすすめつつあります。核兵器が一発でも使われれば、ヒロシマ・ナガサキ、さらにはビキニのような非人道的な結末をもたらします。この脅威を取り除くことは、気候変動の阻止とともに、人類の死活的な緊急課題となっています。
この危機をのりこえ、「核兵器のない世界」の展望を切り開くたしかな流れが生まれています。米ソが対抗した時代と異なり、圧倒的多数の非核保有国と市民社会の共同が世界を動かす力を発揮しています。2017年に成立した核兵器禁止条約は、それを象徴する出来事でした。禁止条約は遠くない将来に発効するでしょう。そうなれば核兵器廃絶をめざす世界の流れはいっそう強く、大きくなるに違いありません。
広島・長崎の被爆75年でもある今年、核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれます。核大国に対して、核軍備撤廃交渉を定めた条約の義務と、核兵器廃絶の誓約など、これまでの合意の実行を求める世論の結集が重要になっています。ニューヨークでも原水爆禁止世界大会(「世界大会―核兵器廃絶、気候の危機の阻止と反転、社会的経済的正義のために」)が開かれることは画期的です。この成功を心から願い、ともに力を合わせていく決意です。
ビキニ被災は、日本政府の態度を変えていくことの重要性を浮き彫りにしています。日本政府は当時、反核世論の高まりを恐れたアメリカの意をうけて、わずかな「見舞金」で幕引きをはかりました。被害の全容解明はたな上げにされ、多数の被災者が放置されました。政府は直ちにこの非を認め、救済のための措置をとるべきです。
安倍政権はアメリカの「核の傘」に依存して、核兵器禁止条約に反対し、国連でも被爆国にあるまじき態度をとっています。9条改憲をねらい、「戦争する国」づくり、沖縄辺野古への米軍新基地建設をすすめています。「桜を見る会」疑惑など、法治国家を破壊する暴挙とともに、消費税増税による生活破壊と深刻な景気の冷えこみを生み出していることも重大です。新型コロナウイルス対策も、抜本的に強化されなければなりません。
一刻も早く安倍政権を終わらせ、野党連合政権を実現し、核兵器禁止条約に署名、批准する政府をつくりましょう。そのために市民と野党の共闘をさらに発展させ、私たち自身も躍進をする―その決意を申し上げて、連帯のメッセージとします。