2020年3月19日(木)
無権利労働を拡大
衆院委 高年法等改定案を可決
共産党反対
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65歳以上の労働者のフリーランス化を促す高年齢者雇用安定法(高年法)等改定案が、18日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党以外の各党の賛成多数で可決しました。共産党の宮本徹議員が反対討論しました。
同案は、65~70歳の就業確保措置を企業の努力義務とし、その際、雇用契約からフリーランスや個人事業主としての委託契約などへの切り替えも可能とするもの。
宮本氏は、「労働時間の規制や最低賃金の保障、有給休暇、労災保険の適用がない不安定で無権利な働き方を広げる」と批判。「現に、雇用から個人請負に切り替えられ生活に窮する実態や、契約の改善を求めて声を上げれば生活が立ち行かなくなるような不利益を被る事態すら起きている。労使合意は歯止めにならないことが参考人質疑で明らかになった」と強調しました。
さらに、「65歳以下にも非雇用(雇用によらない働き方)を広げる一穴になりかねない。65~70歳への努力義務も『雇用の確保』とすべきだ」と力を込めました。
同日の質疑では、先行して義務化された65歳までの雇用確保措置では、労働者が雇用継続を望んでも企業側の選別で拒否されたり、営業成績によって雇用か請負か選別されたりする事例があると指摘。「選別・差別を禁止する規定はない。こうしたやり方がまかり通るものになりかねない」と批判しました。