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2020年4月6日(月)

新型コロナ対策、改定綱領、野党連合政権の展望語る

司会「連合政権の作曲家に」

BSテレ東番組 志位委員長が出演

 日本共産党の志位和夫委員長は5日、BSテレ東番組「日曜サロン」に出演し、深刻化する新型コロナウイルス感染症への対策とともに、党綱領一部改定に明記された「発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道」などの新しい規定の意味、野党連合政権の展望などについて語りました。志位氏が青春時代の一幕を披露する場面もありました。


自粛と一体に補償を

 冒頭、志位氏は新型コロナ問題での政府対応を問われ、「政府によるイベント開催の自粛や『三つの密(密閉、密集、密接)』の回避など、自粛要請は必要です」と述べた上で、たとえば飲食店などで固定費がかかるため「やむを得ず店を開けるとなれば感染防止と矛盾してきます」と指摘。「いま必要なのは、政府が自粛要請と一体に補償すると宣言することです。感染防止の実効性を確保するうえで必要不可欠です」と強調しました。英国やドイツなどでの所得、休業補償をあげ、「どの国でも現金の補償が行われています」と紹介し、補償を拒否する安倍政権の姿勢をただし、補正予算の中心の一つに補償措置を据えるよう強く求めていくと表明しました。

改定綱領とマルクス・エンゲルス

 志位氏は1月の党大会での党綱領の一部改定について問われ、「中国に対する規定を見直しました」と紹介。中国について「社会主義の探求を開始した国」との規定を削除した理由について、「中国でこの間、大国主義、覇権主義、人権侵害が深刻になりました」と強調。東シナ海、南シナ海で力によって勢力拡大する覇権主義や、香港、新疆ウイグル自治区での深刻な人権侵害を批判し、「『社会主義をめざす探究を開始』した国だと判断する根拠がなくなりました」と説明しました。

 志位氏の発言を受け、司会の芹川洋一・日本経済新聞論説フェローは、「『発達した資本主義での変革こそ社会主義・共産主義への大道』だというのがポイントになっている」と指摘。志位氏は「これは新しい命題です」と強調し、「これまで資本主義を離脱して社会主義をめざす探求がロシアと中国で行われましたが、ソ連は崩壊し、中国も問題点が噴き出しました。両国ともに指導者の誤りが直接の原因ですが、民主主義の制度も自由もないなど資本主義の発達の遅れた国から始まった革命という歴史的制約がありました」と強調。「こうした歴史的経験を踏まえても、発達した資本主義国での社会変革が、社会主義・共産主義への大道になります。もともとマルクスとエンゲルスもそう考えていたのです」と述べました。

 志位氏は「マルクスとエンゲルスの若い時から亡くなるまでの著作を読むと、資本主義が発展する中で、高度な生産力の発展、労働時間の短縮など国民の権利の保障、自由と民主主義の制度、民主共和制の発展、人間の個性の豊かな発展などがすすみ、そうした資本主義の発展がうみだした豊かな条件を生かして次の社会に進むことができるというのがマルクスとエンゲルスの見通しでした」と説明。芹川氏が「私も著作を読んだことがありますが、発達した資本主義から、というのがマルクスとエンゲルスの考え方ですね」と応じると、志位氏は「そうです。ただ、(最初に革命が)始まったのがロシア、中国だったこともあり、この命題をなかなか綱領に書けなかった」と述べました。

野党連合政権にむけて

 野党連合政権に向けて、自衛隊や天皇の制度などの他党との政策上の相違点について問われ、志位氏は、現在の自衛隊が憲法9条と両立しない事実上の軍隊であり、国民多数の合意を得ながら段階的に9条の完全実施を目指すとした党の見解を説明したうえで、当面の野党連合政権にはその立場は持ち込まないと表明。安保法制の廃止と集団的自衛権の行使容認の閣議決定の撤回をめざすと強調しました。また、天皇の制度について、天皇条項を含めた日本国憲法の全条項を守ると綱領に明記しており、連合政権の障害にはならないと述べました。

 志位氏は次期衆院選について、まずは新型コロナの収束に全力を尽くすと述べたうえで、この間の党首会談を踏まえ、「次の選挙でぜひ野党連合政権にチャレンジしたい」と表明。5年間の共闘で人間的な信頼関係が深まっていると述べ、安倍晋三首相が日本維新の会の議員の質問に答えて共産党に対し「暴力革命」などとデマ答弁を行った時には、野党全体で抗議したと紹介し、「野党を分断しようとしても無理です」と強調しました。

 最後に、志位氏のピアノ演奏が話題に。志位氏の演奏の動画を見たという司会の榎戸教子キャスターから「かなりお上手です。長くたしなまれているのですか」と聞かれ、志位氏は「上手などということはありません」とのべつつ、高校時代にオーケストラ部に所属し、ピアノと作曲、バイオリンを習っており、「実は作曲家になりたいと熱烈に思っていた」と告白。一同が驚く中、芹川氏は「ぜひ連合政権の作曲家になってください」とまとめました。


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