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2020年4月11日(土)

緊急事態宣言

国と地方 食い違い噴出

 新型コロナ感染症拡大に対応する安倍晋三首相の緊急事態宣言(7日)の後、国と地方との間で、対応の食い違いが噴出しています。

補償に否定的

 最大の問題は、「休業要請は損失補償とセットで」という原則の確認を地方が求めているのに対し、国が一貫して否定的なことです。全国知事会は、国に損失補償を求める提言のとりまとめを確認(8日)しています。

 緊急事態宣言の対象地域をめぐっても、宣言で指定された7都府県のほかに、愛知県と京都府が対象地域への追加を求めています。京都府などからは、対象地域から外れたことで緩みが生じかねないなどの危惧の声が出ています。これに対して、菅義偉官房長官は10日の記者会見で「感染状況を踏まえ専門家の意見を聞かなければならない」と述べ、基本的対処方針諮問委員会の見解を踏まえて判断する姿勢を示しました。

要請を先送り

 さまざまな業種に休業要請を出すことをめぐっても、国は東京都に2週間ほど先送りするよう「圧力」をかけていましたが、10日には国との調整を経て東京都が、休業要請の対象業種や自粛の内容を詳しく示しました。同日の記者会見で小池百合子都知事は「感染爆発の重大局面にある東京にとって、『ここから(外出自粛で)2週間状況見て』はあまりにも酷」と語り、安倍首相は記者団に「(都と)互いに一致できてよかった」などと述べました。

 国が休業要請を先送りしようとしたのは、補償の声が広がるのを恐れたからです。感染防止より国の財政を優先的に考慮する姿勢だと批判されても仕方ありません。

 また同日、東京都が休業要請を出すと同時に「感染拡大防止協力金」を支払うとしていることについて、菅長官は「政府は検討しない」と否定的態度を示しました。

 東京都の「協力金」については「詳細はこれから」(小池都知事)とされるなど不明確な部分が多いのは確かですが、かたくなに一切の補償を拒否する政府の姿勢を転換させることは急務です。


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