2020年4月12日(日)
コロナ禍 困窮する若者
家賃補助 学生の助けに
20日から制度の対象者拡大
アルバイトが休業になり家賃が払えない―。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛要請で、生活の困窮に直面する若者が少なくありません。その影響は親元を頼れず、自立して生活する学生にも。先の見えない不安の中、20日から対象者が拡大される家賃補助制度が、生活立て直しの一助になるかもしれません。(松浦裕輝)
大阪府で1人暮らしをする坂本綾さん(20=仮名)。バイト先の飲食店が休業。収入が断たれました。「家賃が払えないと住む家がなくなる。どう生計を立てたらいいのか」と不安を口にします。
専門学校に通いながら週2日~3日バイト。月約5万~6万円の収入で、奨学金で足りない分の学費、光熱費や家賃など生活費をまかなってきました。親子関係が悪く、仕送りは一切なし。わずかな蓄えは、授業の機材やインターンの交通費などに使う必要があり、切り崩せません。
「休業がいつまで続くかわからず不安。休校で就活に向けた制作もできないので焦るし、気がめいっている」
坂本さんのように収入が減少して家賃が支払えず、住居を失う恐れがある人の支援策となり得るのが、20日から予定されている「住居確保給付金」の支給対象拡大です。
住居確保給付金は生活困窮者自立支援法に基づく制度の一つ。離職後2年以内で住居を失った人や失う恐れのある人に、家賃を原則3カ月(最長9カ月)支給します。世帯収入や預貯金額などに一定の基準があり、自治体によって基準や支給額は異なります。
離職や廃業が要件でしたが、20日からは、新型コロナウイルス感染症の影響で休業を余儀なくされ、収入が減った人も対象になります。ハローワークへの申請もインターネットでの仮登録のみで可能で、要件の「求職活動」も緩和されました。
坂本さんは知人を通じて、活用できる制度を日本共産党が紹介していると知りました。この住居確保給付金や、各都道府県の社会福祉協議会が3月25日から始めた、生活福祉資金制度による緊急小口貸付の特例貸付です。さっそく相談する予定。「まだ安心はできない。(緊急小口貸付は)あくまで借りるものだから、対象を幅広くした休業補償がほしい」と話しています。