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2020年4月14日(火)

主張

「緊急事態」1週間

補償決断せねば手遅れになる

 新型コロナウイルス感染拡大の抑止のために安倍晋三政権が緊急事態宣言をしてからきょうで1週間です。対象の7都府県では外出自粛要請に続き、休業要請も次々出され、行動制限の動きが強まりをみせています。ところが安倍首相は、国民への要請・協力を繰り返すだけで、自粛や休業による損失について補償する姿勢がありません。これでは暮らしも営業も行き詰まります。感染者の急増に歯止めがかからない中、政府が一刻も早く「万全の補償をする」と決断しなければ、感染を抑え込む上で手遅れになります。手をこまねいている場合ではありません。

持ちこたえられるように

 緊急事態宣言を受けて、オフィス街も繁華街も人出は減少しました。休業要請を受け、飲食店などの店舗は全面休業を決めたり、営業時間を短縮したりしています。深刻なのは、中小の自営業者を中心に「このままでは暮らしは成り立たない」と悲鳴が上がっていることです。コロナ感染の広がりが本格化して以降、売り上げの落ち込みは激しく、蓄えを取り崩し営業してきた店も少なくありません。緊急事態宣言によって、業者の苦境に拍車がかかっています。

 いま緊急に必要なのは、コロナで廃業に追い込まれる業者が出ないよう、営業が持ちこたえられるための強力な支援です。安倍政権がいまだに補償に背を向け続けていることは大問題です。政府の緊急対策に盛り込まれた中小業者向けの「給付金」では、対象が狭く、給付の時期も遅く、間尺に合いません。しかも給付が1回だけでは、長期化が想定されるコロナに対処するのに全く足りません。全ての国民を対象に、簡素な手続きで「1人10万円の給付金」が届く制度を急いで実現するとともに、安心して休業できる継続的な補償の仕組みをつくることが不可欠です。

 政府は感染拡大を抑えるため、人と人との接触機会を「最低7割、極力8割減らす」ことを目標にしています。首相は11日、7都府県の全ての企業に「出勤者7割減」を求めると表明し、繁華街の接客を伴う飲食店などの利用自粛要請を7都府県だけでなく全国に広げる方針を新たに打ち出しました。

 しかし、それに伴う損失の補償については、首相は一切触れません。政府の要請に協力したくても、生活の手段が断ち切られては、とても休業には踏み出せません。実効性が根本から問われます。

 安倍首相が自宅でイヌを抱きゆったりくつろぐ動画と合わせ国民に外出自粛を呼びかけるツイッターが批判を集めています。国民にとって自粛は仕事と生活がかかった文字通りの死活問題なのに、その深刻さからかけ離れた姿だったからです。あまりに無神経です。姿勢を改めるべきです。補償に踏み切る方針こそが、国民が力を合わせコロナ感染症に立ち向かう重要な土台になることは明白です。

命を守る体制強めよ

 医療提供体制強化にとっても財政的補償は急務です。現場から「医療体制の崩壊」の窮状の声は続出しており、院内感染を引き起こさないための医療機関への人的・物的な手厚い支援が急がれます。ところが安倍政権の医療への支援はニーズに追いつかず、スピードも遅く、検査強化の道筋も見えません。財政支出を惜しまず「命を救う体制」づくりを急ぐべきです。


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