2020年4月18日(土)
この感覚で経営者 務まるの?
“コロナ現金給付 電子マネーで”経済同友会の桜田代表幹事発言
「生活苦考えない」批判次々
政府は、国民の声におされて、補正予算を組み替えて「1人10万円」の現金給付を行う検討に入りました。これに関連して、16日に経済同友会の桜田謙悟代表幹事が「電子マネーでの給付が望ましい」(「産経」のネットニュース)と発言したことに、各界から批判の声があがっています。
桜田氏の発言は、現金給付では貯蓄に回る可能性もあるものの、電子マネーなら「消費力を維持するのにつながる」ということです。
これに対して、「賛成、反対を表明する以前に脱力感を持った」(NPO法人ほっとプラスの藤田孝典氏)、「プリペイドカードかなんかが送られてくるんですかね。マスク送るみたいにまた数百億円かかるんでしょうか」(タレントの鈴木蘭々氏のブログ)などと、著名人から批判の声が相次ぎました。
藤田氏は、「そもそも消費力を維持するための現金給付なのか、政策導入の主旨、生活苦の市民の想いも考えられないのだろうか」と、厳しく批判しています。まったく、その通りです。
10万円の給付の目的は、藤田氏の指摘のように「生活苦」への対策であって、「消費力の維持」ではありません。困っている人は現金給付でもすぐ消費するでしょう。それほど困っていない人に無理に消費させれば、それこそ「不要不急の消費行動」を増やして、コロナ対策にとって有害です。
また、電子マネーでの給付はキャッシュレス業者との契約などの準備が必要で、給付金が届くのが、ますます遅くなります。さらに、電子マネーによってはチャージできる金額の上限が2万円とか5万円のものもあり、どの電子マネーでも10万円の給付が可能とは限りません。
こんなこともよく考えずに、軽率な発言が財界団体のトップから飛び出すことに、多くの人が「これで経営者が務まるのか?」という思いをいだくのは当然です。政府もそうですが、財界人もここまで劣化したのかと、怒りを通り越して悲しくなってしまいます。(垣内亮 日本共産党政策委員会)