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2020年4月22日(水)

きょうの潮流

 澄んだ水に青い空。濁っていたベネチアの運河は透き通り、スモッグでかすんでいた中国やインドの空はすっきりと。皮肉なことにコロナ禍で世界の経済活動が凍るなか、各地で環境の変化がみられます▼「空気がこれほどきれいになるのは初めて。汚染物質の量は通常の3月の半分にも満たない」。ニューヨークの大気を分析した米大学教授の話をBBCが伝えています。中国では二酸化炭素の排出量が25%も減ったとの分析も▼もちろん一時的なもので専門家は収束後の揺り戻しや温暖化対策の棚上げを懸念します。しかし今回の事態は、地球環境に及ぼす人間の活動の大きさを示しています▼大量生産・大量消費、乱開発や自然破壊。どれだけ地球を傷つけていることか。軍事など不要不急の最たるものです。パンデミックの歴史を振り返ってみても、人類の姿を見つめ直す機会に。そう呼びかける人は多い▼きょう4月22日は地球のことを考え行動するアースデイ。半世紀前、環境問題への理解をひろげるため米国の国会議員によって提唱されました。市民一人ひとりが自由にとりくむもので、いまでは世界中でさまざまな催しが開かれています▼「大きな災害、大きな自然に向き合うからこそ、私たちはつながり合い、生きる刻(とき)を共にして活動しなければならない」。今月亡くなったC・W・ニコルさんはそんなメッセージを寄せていました。働くとは、生きるとは、人類とは――。脅威のなかで迎えた「地球の日」の節目に問い直したい。


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