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2020年4月23日(木)

主張

辺野古設計変更

「県民の命軽視」の暴挙許せぬ

 沖縄県の米軍普天間基地(宜野湾市)に代わる新基地建設先とされる名護市辺野古沿岸部に軟弱地盤が広がっている問題で、安倍晋三政権は21日、地盤改良工事の追加に伴う、埋め立ての設計変更を県に申請しました。県は前日の20日に新型コロナウイルスの感染急増を受け、独自の緊急事態宣言を出したばかりです。玉城デニー知事が「県を挙げて新型コロナの感染拡大防止の対策を進めている時期だ。(政府は)現下の状況を全く理解しておらず、断じて容認できない」と批判したのは当然です。

「不要不急」そのもの

 設計変更の申請は、あまりに突然でした。防衛省沖縄防衛局の職員4人が21日午前8時40分ごろ、名護市の沖縄県北部土木事務所に姿を現し、合わせて約1800ページもの分厚い2冊の申請書類を置いていったといいます。県への事前の連絡はありませんでした。

 県は、新型コロナの対応に忙殺されています。辺野古の新基地建設に関わる作業員にもコロナ感染者が出て、工事も中断を余儀なくされています。設計変更の申請は「不要不急」の最たるものです。

 河野太郎防衛相は21日の記者会見で「書類の提出ですから、あまりコロナと関係ないのではないか」とうそぶきました。しかし、県内では「コロナ対策よりも、新基地建設を優先する構図は県民の命を軽視していると言わざるを得ない」(沖縄タイムス22日付)という厳しい声が上がっています。

 安倍政権が設計変更の申請をしたのは、埋め立て予定地の海底に「マヨネーズ並み」とされる軟弱地盤の存在が明らかになったためです。軟弱地盤が海面下90メートルにまで達する地点もあります。

 国内にある作業船では海面下70メートルまでしか地盤改良工事ができません。防衛省は70メートルより下は「非常に固い粘土層」だとしてきましたが、実際は非常に軟弱であることを示す委託業者の実測データが発覚しています。ところが、防衛省は追加の調査を拒否し、設計変更にも反映していません。専門家は「工事を強行すれば護岸が崩壊する恐れがあり、工事は破綻する」(立石雅昭・新潟大学名誉教授=地質学)と警告しています。

 今回の設計変更の申請について河野防衛相は「(有識者による)技術検討会あるいは環境監視等委員会でそれぞれしっかり議論をいただいた」と述べました(21日の記者会見)。しかし、防衛省が設置した技術検討会は、同省が提出した説明資料に20カ所もの誤りがあったにもかかわらず、それを見逃した上、問題にしようともしません。環境監視等委員会も、地盤改良工事で約7万1000本の杭(くい)を海底に打ち込むのに、新たな環境影響評価は必要ないとする同省の判断を容認しています。「新基地建設ありき」の追認機関にすぎません。

新基地建設の断念を

 河野防衛相は「普天間飛行場の危険性の除去を一日も早くということは沖縄県も国も思いは同じ」(同)とも述べました。しかし、防衛省自身、辺野古の新基地完成には約12年かかるとしており、普天間基地の「一日も早い危険性の除去」につながらないことは明白です。安倍政権が「一日も早く」と真剣に考えているのなら、新基地建設を断念し、普天間基地の閉鎖・撤去を米国に求める交渉を始めるしか道はありません。


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