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2020年4月29日(水)

ロイヤル社解雇 違法

東京地裁 賠償求め役員を提訴

 東京都内でタクシー事業を展開するロイヤルリムジンが、新型コロナウイルスの感染拡大を口実に、運転手らの大量解雇を通告したのは違法だとして、グループ会社を解雇された70代男性が28日、同社の金子健作社長ら役員2人に220万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。

 ロイヤルリムジン本社社長も兼務する金子氏は4月上旬、感染拡大で業績が悪化しているとして、グループ会社を含む約600人の労働者に退職を強要。労働組合に結集する労働者が雇用維持を求めて団体交渉を続け、24日に労使が雇用を維持することで基本合意しました。労働者の共同に押され、同社は一転、退職強要の撤回を余儀なくされました。

 労組に入っていない原告の男性は、10日の会社説明会で「退職合意書」に署名させられました。

 提訴後、司法記者クラブで男性とともに会見した代理人の馬奈木厳太郎弁護士は、ロイヤルリムジンが別のタクシー会社を買収したことにふれ、人員削減の必要性など全く合理的な理由を欠く解雇は労働契約法に違反し、解雇権の乱用に当たると強調。「役員が法令違反を認識しながら重大な過失を起こしたことを明らかにし、会社とは別の責任が役員には生じると訴えていきたい」とのべました。

 男性は「私だけの問題ではない。600人の労働者と家族を路頭に迷わせ、自分だけ逃げようとした社長と役員に責任をとってもらいたい」と語りました。


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