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2020年5月1日(金)

主張

100年目のメーデー

声を上げれば道は開かれる

 きょうは第91回メーデーです。今年は1920年に日本で第1回メーデー集会が開かれてから100年の節目にあたります。新型コロナウイルスの感染拡大で中央メーデー集会は中止となり、中央式典がインターネットを通じ全国に配信される異例の形の開催です。

今こそ労働組合の出番

 賃金の大幅減で苦しんでいる。解雇・雇い止めにあった。フリーランスで仕事が無くなり生活の見通しがない―。コロナ危機の中で多くの人が苦境に立たされています。医療や交通をはじめ社会・生活インフラを守るため、感染リスクも抱えながら懸命に働いている人が多くいます。世界の労働者の団結と連帯の場・メーデーの意義はいっそう重要になっています。

 安倍晋三政権のコロナ対策は後手に回り、国民の命と健康、雇用と営業、暮らしと文化を守る姿勢を欠く政治に、国民から疑念と異論が相次いでいます。集会やデモが困難であっても、ネットを活用した創意ある取り組みでさまざまな活動ができます。対象者を狭く絞った「1世帯30万円給付金」に対し、「直ちに1人一律10万円給付を」の世論が広がり、安倍政権は補正予算案を組み替える前代未聞の事態に追い込まれました。

 声を上げてたたかえば道は開けます。引き続き「自粛・休業と補償は一体で」「医療現場への本格的支援を」と政府に迫りましょう。

 今こそ組織された力を持つ労働組合の出番です。全労連や連合、多くの労働組合は電話相談を開設するとともに、政府に緊急対策を求めています。日本医労連は必死に奮闘する現場の声を集め、対応を迫る活動を強めています。自交総連は、コロナを口実としたタクシー会社での退職強要を連合労組と共同して撤回させました。首都圏青年ユニオンは、勤務シフトが減少した組合員の賃金を雇用調整助成金の活用で100%保障させました。郵政ユニオンは、非正規社員のコロナ対応は年次有給休暇を基本としていたのを有給の特別休暇に改めさせました。

 コロナ危機は「新自由主義」「利潤第一主義」による日本社会のゆがみも浮き彫りにしました。疲弊する保健所や病院からの悲鳴は、医療・社会保障削減がもたらした深刻な弊害によるものです。マスメディアの中にも、「『公務員』を切り捨て続けてきた日本のツケ」などの論評が出始めています。

 国民の生活防衛という緊急の課題とともに、「こんな社会でいいのか」という問いかけが各分野で始まっています。政治を身近に思えなかった人たちが、いま政治の役割をひしひしと感じています。

 本来なら今年は第101回のメーデーとなるはずでした。10年のブランクには、1936年から45年まで日本軍国主義に禁止を強いられた痛苦の歴史が刻み込まれています。しかし、敗戦後の46年の東京メーデーは50万人の参加で見事によみがえり「民主人民政府の即時樹立」などを決議しました。

よりよい世界の復興へ

 今は活動に制約はあっても沈黙を強いられることはありません。知恵と工夫で団結と連帯を強め、「コロナ後の世界をかつてより良い状態に復興する」(グテレス国連事務総長)ため、全力をあげようではありませんか。メーデー100年の歴史を踏まえ、希望の明日へ新たな出発を誓い合いましょう。


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