2020年5月8日(金)
PCR検査スポット 東京・新宿
診断が一元化
東京都新宿区は国立国際医療研究センターに委託し、PCR検査スポットの運営を始めました。検査から治療にいたる流れを追いました。(染矢ゆう子)
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同区では、区の保健所での電話相談とあわせて、区内の医療機関が紹介した患者を同センターが発熱外来で診察し、PCR検査をしていました。
同センターは重症患者の治療に専念するため、発熱外来を4月15日で休止。4月27日からは、新たに設置した敷地内のPCR検査スポットで検体を採取しています。区の医師会や基幹病院から派遣された医師・看護師が協力して行っています。
待合室を分け
検査を受けるには区内の医師の紹介状が必要です。発熱などの症状がある人はかかりつけ医に電話で事前に相談してから受診します。
同区では紹介状(診療情報提供書)と検査スポットに患者が持参する予診票を統一。紹介状等を持って、検査スポットに平日の午前中の2時間内に行けば検査ができます。予約はいりません。
検査スポットまでは公共交通機関を使わず、自家用車や徒歩、自転車などで来るように注意があります。同区の担当者は「初日は56人を検査しました。対象は区民ですが、『区民でなくても受けられるか』という問い合わせが多くきます」と話します。
同区の新宿ヒロクリニックの担当者は「検査までの診断が一元化された」と評価します。同クリニックでは待合室での感染防止のため、外来は電話予約のみ受けつけます。発熱症状のある人は入り口や待合室を分けて診察したり、往診に行くこともあります。
陽性が判明した後の役割分担も進みました。重症、中等症の患者は保健所が区内の八つの医療機関へ入院するように振り分けます。軽症者は自宅かホテルで療養します。同区では100人以上が自宅で療養中。保健所が健康観察を行っています。
検査スポットの運用が始まってからは、自宅療養中に具合が悪くなったり、薬がほしいときなどには、最初に診断したかかりつけ医が電話などで遠隔診療を行います。検査結果の連絡も、かかりつけ医が行います。
超党派で要請
一方、エレベーターや待合室を別にすることができない診療所では、発熱やせきがある人を窓口で断ることが続いています。
日本共産党新宿区議団は7日、超党派で区に対し、検査と治療の体制の充実などを要請しました。