2020年5月9日(土)
持続可能・公平社会を
37都市首長声明 コロナ危機後に目指す
気候変動対策に取り組む大都市のネットワーク「世界大都市気候先導グループ」(C40)に所属する37都市の首長は7日、声明を発表し、新型コロナウイルスの危機からの回復にあたっては、危機前と同じ社会に戻るのではなく、より持続可能で公平な社会を目指すべきだとして、新たな社会の枠組みとすべき9項目の原則を提示しました。(島田峰隆)
声明に名を連ねた都市は、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンパウロ、メキシコ市、ロンドン、シドニー、ソウルなどです。
声明は、コロナ危機が「健康だけでなく社会・経済の危機」であり、根源には「環境破壊、人類と自然との関係がある」と指摘。一番被害を受けているのは「最も弱く不利な立場の人々」だと強調しました。
重症急性呼吸器症候群(SARS)などの教訓にもかかわらず世界が危機に十分に備えられなかったのは、国際機関の弱体化や科学に基づく知見を無視した結果だと批判しました。
「目標は『通常』への回帰ではなく、より良く、持続可能で、回復力があり、公平な社会の建設だ」と強調。回復の原則として▽世界の気温を3度以上上昇させる「これまで通り」ではだめだ▽公共サービス、公共投資が最も有効な土台になる▽気候変動対策が経済回復を加速し社会的な公平性を高める―ことなどを掲げました。
C40の議長を務めるロサンゼルスのガーセッティ市長は「新型コロナは体系的な不公平をさらけ出した。われわれは本当にすべての人のためになる経済を再建しなければならない」と述べています。