2020年5月10日(日)
米失業率14.7%
4月 大恐慌時に次ぐ水準
【ワシントン=遠藤誠二】米労働省は8日、4月の雇用統計(速報値、季節調整済み)を発表しました。失業率は前月の4・4%から急上昇し、戦後最悪の14・7%となりました。1933年の大恐慌時に記録した24・9%に次ぐ水準。新型コロナウイルス感染拡大による経済活動停止で米国の労働者が深刻な打撃を受けています。
失業者数は前月から3倍となる2308万人に膨れ上がりました。14・7%の失業率は、リーマン・ショック後の2009年10月の10・0%、これまで戦後最悪だった1982年の11、12月の10・8%をはるかに上回っています。
非農業部門の就業者数は前月から2050万人減。リーマン・ショック後09年3月に記録した80万人減に比べてもけた違いの数です。
レジャー分野は770万人減少。うち、持ち帰り以外の営業が禁止されている飲食業が550万人減です。教育・医療分野は250万人、小売業は210万人、製造業は130万人、建設業は97万人と軒並み大幅に減少しています。
米国でのコロナ感染者は増加の一途で、一部の州で経済再開の動きがありますが、全面的な再開がいつになるか見通しはたっていません。米議会予算局(CBO)は、失業率は7~9月期にさらに悪化し、16%になると予測しています。