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2020年5月12日(火)

「緊急事態宣言」延長 予算委集中審議

“派遣切り”実態把握求める

PCR検査拡充・財政支援早く

 衆参両院の予算委員会は11日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う「緊急事態宣言」の延長を受けてそれぞれ集中審議を行い、日本共産党の宮本徹衆院議員、倉林明子副委員長(参院議員)が質疑に立ちました。(論戦ハイライト)

“派遣切り”実態把握求める 宮本氏「派遣会社に強力な指導を」

衆院

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(写真)質問する宮本徹議員=11日、衆院予算委

 宮本氏は、派遣労働者の解雇・雇い止めが相次いでいる問題を取り上げ、「店舗での試食販売がなくなり、収入がなくなった。家賃も払えない」「6月末までの契約が中止となり、休業補償はないと言われた」など、全国の労働組合に寄せられた実態を紹介。政府による実態調査を求めました。

 さらに、「政府は業界団体や経団連に雇用維持の要請書を出しただけだ。全国約3万8000の派遣事業所で業界団体に加盟しているのは914社だけで、要請は全く届いていない」と批判しました。

 宮本氏は、2015年の派遣法改定時に安倍晋三首相が「雇用の安定は確実に強化される」「雇用安定措置を講じない派遣元には厳正な指導等を行う」と答弁したと指摘。今回のコロナ危機では「雇用を守り抜く」と繰り返しているとして、「そう言うのならば、派遣会社に対し、雇用調整助成金を使って雇用を維持し、生活できる水準の休業手当を支払うよう強力に事前に指導するべきだ」と迫りました。併せて、雇調金の前払い支給を求めました。

 安倍首相は、雇調金の「事後チェックの導入も含め、手続きの簡略化を指示している」「業界団体等を通じて雇調金の活用を強く要請したい」と述べました。

 宮本氏は、経済的に打撃を受け大学構内の設備を利用できない学生への支援も求め、「授業料を半額に減額し、国が大学・専門学校に補填(ほてん)するべきだ」と主張しました。

PCR検査拡充・財政支援早く 倉林氏、医療・介護崩壊防止を提起

参院

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(写真)質問する倉林明子副委員長=11日、参院予算委

 倉林氏は、新型コロナウイルス感染症で医療、介護・福祉現場がぎりぎりで持ちこたえている実態を示し、「ここで手当てが遅れたら崩壊する」と述べ、「崩壊」を防ぐためにPCR検査や財政支援を抜本的に拡充するように提起しました。

 医療、介護の専門誌『日経ヘルスケア』の報道によると、医療介護職員の感染者が3月末から5月1日までに約8倍に急増し、感染者全体の6・7%にのぼっています。

 倉林氏は、病院内感染の発生理由について、感染者が検査しないまま医療機関に来ることや医療機関で感染防護具が不足していることにあると指摘し、「院内感染の連鎖を止めるためにはPCR検査を抜本的に増やし、病院入り口から対策を取る以外にない」と強調。全国各地でのPCR検査センター設置と医療機関の感染防護具調達のため、補正予算予備費(1・5兆円)の活用や速やかな2次補正で財政支援を強めるように求めました。

 安倍首相は「対応が必要な場合は予備費活用も含め必要な措置を速やかに講じる」と答えました。

 倉林氏は「医療提供体制が資金面からも崩壊の危機に直面している」ことにも言及。感染を恐れた受診抑制で医療機関では大幅減収が続いていることをあげ、災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求を認めて医療機関の収入確保を図るよう求めました。

 加藤勝信厚労相は、災害時の事情とは違うとしつつも「医療機関が経営を維持できるために何をすべきか、対策を考えているところ」と述べました。


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