2020年5月23日(土)
コロナ口実 不当解雇
東京美々卯 労組、救済申し立て
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「うどんすき」で知られる「麺類日本料理 美々卯(みみう)」(本店・大阪市)は、新型コロナウイルス感染拡大を口実に、関東6店舗を営業する「東京美々卯」を全店閉店・会社解散させ、約100人の従業員を解雇しました。全労連・全国一般労働組合東京地本は22日、厚労省で会見し、不当解雇の撤回を求め、東京都労働委員会に不当労働行為救済を申し立てた(20日)と発表しました。
会社は4月19日、東京の従業員を集め、組合への事前協議もなく5月20日に関東の全店舗を閉鎖すると発表。組合は撤回を求めましたが、5月19日の団体交渉で、「退職合意書」にサインをしなかった組合員に対しても解雇を通知しました。
支店長をつとめる男性(44)は、「愛されてきた美々卯の味と文化を引き継いで頑張ってきた。国の支援制度などを使って、事業を継続してほしい」と発言。退職合意のサインをしていないのに解雇された男性(51)は、「(自社ビルの)京橋店を残して営業するなど話し合いもなく終わってしまうのは悔しい」と述べました。
美々卯ホームページの閉店案内には、「東京美々卯及び美々卯グループは無借金経営を続けています」と記載。
全労連・全国一般東京地本一般合同労組の梶哲宏委員長は、「美々卯は、株式を所有している美和ホールディングスに預かり金もあり、十分に事業継続できる」と強調。佐々木亮弁護士は、「解雇の必要性や回避努力、組合との協議など整理解雇の4要件がチェックされる必要がある」と指摘しました。