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2020年6月4日(木)

党7議席・「オール沖縄」勝利へ

大激戦の県議選「3日攻防」

新基地よりもコロナ対策

 7日投票の沖縄県議選は、最終盤の「3日攻防」に突入しました。日本共産党候補は、いずれの選挙区も自民党との激突で横一線の大接戦。1票を奪い合う激しい攻防を繰り広げています。日本共産党と後援会は、党候補7人全員勝利と玉城デニー知事を支える「オール沖縄」の躍進のため「ぬちかじり(命の限り)頑張ろう」と、総力を挙げて宣伝、対話、支持拡大に取り組んでいます。


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(写真)街頭から訴える、たまき武光候補=3日、沖縄県南風原町

 3日、とぐち修(現、那覇市・南部離島区)、比嘉みずき(同)、たまき武光(現、島尻・南城市区)、セナガ美佐雄(現、豊見城〈とみぐすく〉市区)、玉城ノブコ(前、糸満市区)、しまぶく恵祐(新、沖縄市区)の日本共産党6候補(浦添市区の西銘純恵氏は無投票当選)は、各選挙区で声を振り絞り、政策を訴えました。

 日本共産党は「辺野古米軍新基地建設費用を新型コロナウイルス対策、暮らしと経済回復にまわせ」との訴えで論戦をリード。大接戦の沖縄市区で、電話で支持を訴える男性(70)は、「基地にかけるお金を新型コロナ対策とか、生活支援に充てるべきだ」と語りかけると、「そうですよね」と共感が広がると語ります。

 ただ、辺野古新基地を正面から語れない自民党は、企業・団体締め付けで組織を固め、反共攻撃を始めるなど、なりふり構わない必死の取り組みを展開。公明党・補完勢力と合わせた県議会の過半数獲得に執念を見せています。

 期日前投票も前回(2016年)を上回るペースで進んでいます。最後までの猛奮闘が勝敗を分けます。

新基地やめ暮らし優先

沖縄市区 しまぶく恵祐候補

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(写真)行きかう市民に支持を訴える、しまぶく恵祐候補=3日、沖縄県沖縄市

 沖縄県議選沖縄市区(定数5)では、日本共産党の新人、しまぶく恵祐候補(33)をはじめとする「オール沖縄」勢力3人に対し、公明党現職の1人に加え、自民党が現職と新人の2人を擁立し、玉城デニー県政の与野党逆転のため、なりふり構わぬ必死の取り組みをしています。しまぶく候補と自民党候補とが激突し、当落線上の大接戦・大激戦のまま終盤戦に入りました。

 日本共産党は、名護市辺野古の米軍新基地に県の試算で2兆5500億円もの税金が投じられると批判。「新基地やめて、くらしと経済回復へまわせ」と訴えを広げています。

若者政策に全力

 さらに、しまぶく候補は、中学生・高校生のバス通学費無料化の促進や、中学校卒業までの通院医療費無料化など、「お金の心配なく学べる社会」実現を打ち出しています。「若者が希望を持てるように」と、街頭でのシールアンケートや高校門前での宣伝、LINEを通じたSNSでの発信にも全力を挙げています。

 党が2日に街頭で取り組んだシールアンケートで、20代の男性が辺野古周辺で働いていたと対話に。男性は、「きれいな海に土砂が投入されるのは許せない」と思っていましたが、県民がどんなに反対しても日本政府は工事を止めないとあきらめていました。党員が、「『オール沖縄』の議員が増えたら、新基地建設を断念させられる」と訴えると「しまぶく候補に入れようと思いました。基地建設に反対する候補者がいたんですね」と、話しました。

基地触れぬ自民

 一方、自民党は県連の県議選公約に同新基地建設「容認」を掲げながら、候補者は街宣では一切基地には触れず、大型公共事業推進や国とのパイプ論を語るのみです。

 自民党は2議席獲得に執念を見せ、自民新人には9人ほどの自民党市議が応援に入り、桑江朝千夫・沖縄市長も自民現職を全面的に支援しています。自民現職は「今度だけは通してください」と訴えを強めています。

 特に日本共産党の嘉陽宗儀県議が勇退し、新人の、しまぶく候補と交代することを好機ととらえ、日本共産党の票を切り崩そうと必死です。

 公明党・創価学会は、「逆転勝利には、全国からの人脈の掘り起こしと無党派層への浸透を図り、他陣営を上回る執念の拡大が急務だ」(「公明新聞」3日付)と、那覇市からも動員をかけて攻勢を強めています。

 しまぶく候補は「安倍政権言いなりの候補者に絶対負けるわけにはいかない」と奮闘。候補を中心にすでに5000カ所に迫る街頭宣伝を行ってきました。しまぶく選対では、「新人候補が勝ち抜くには、支持拡大の大波をつくりだすことが必要」と、あらゆるつながりに支持を訴え、「担い手」を広げていこうと呼びかけています。

党派超え 願いを形に

糸満市区 玉城ノブコ候補

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(写真)自宅から出てきた女性に「期日前投票してきましたよ。今度は必ず当選してください」と激励されるノブコ候補=3日夕、沖縄県糸満市

 日本共産党前県議の玉城ノブコ候補が4年ぶりの議席回復へ奔走する糸満市区(定数2)。強い日差しの3日早朝、市内の交差点で手を振っていたノブコ候補は音が出せる午前8時を迎えるとマイクを握りました。「大接戦、大激戦です。暮らし、平和を守ってほしい、という願いに何としても応えたい。みなさんの声を県政にしっかりと届けたい。もう一回り、二回りのご支援を広げてください」

 車の窓を開け、笑顔で手を振ってくれる人。高齢の女性はノブコ候補に歩み寄り、「必ず議席を取り戻して」と期待を寄せました。

 選挙戦は、ともに1期目の自民党と無所属、ノブコ候補の3氏のたたかい。4年前の前回と同じ顔ぶれです。

自民に審判下す

 前回、「ノブコは大丈夫」「自民候補を落とすために票を回してほしい」とのデマ情報が流布。それを信じた支持者も少なくなく、ノブコ氏は約900票差で落選しました。今回も、ノブコ候補が圏内入りしたとの世論調査を装った出所不明のデマ情報が流され、切り崩しが狙われています。

 前回、無所属候補に約200票差に迫られた自民候補は1日、まだ国会で審議入りしていない第2次補正予算案に関し、「共産党の反対で給付金が遅れます」と事実に反することをネット上に書き、共産党を攻撃し始めました。これに対し、共産党の赤嶺政賢衆院議員は3日、同市内で街頭演説し、「ウソやデマで市民をだますような選挙のやり方は改めるべきだ」と抗議。辺野古の米軍新基地建設を推進しているのが自民党沖縄県連だとし、「沖縄の自民党は県民を裏切り続けてきた。県議選で断固として審判を下そう」と呼びかけました。

 つえをついて演説を聞き、拍手を送ったのは沖縄社会大衆党元委員長の仲本安一さん(85)。「沖縄の心は平和を愛する心、人を大事にする心です。党派を超え、心を一つにして頑張る時代です。ノブコさんに必ず勝ってほしい」と話しました。

広がる支持の輪

 ノブコ候補には党派を超えた支援が広がっています。「玉城ノブコを応援する市民の会」も発足し、独自に宣伝などを展開。玉城デニー知事は1日の応援演説で、同市区で唯一の女性であるノブコ候補を「再び県議会で多くの市民の思いを形にするよう頑張ってほしい」と述べました。

 「3日攻防」初日の4日夕、党は街頭市民決起集会を開きます。前田潤選対本部長(65)は「ノブコ候補を支持していただいた人にあと一回り、二回りの支持を広げてもらうことがカギです」と話しています。


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