しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年6月11日(木)

主張

2次補正審議

感染再燃への備えをいまこそ

 新型コロナウイルスの感染拡大対策を盛り込んだ2020年度第2次補正予算案について、日本共産党の志位和夫委員長が衆院予算委員会で質問に立ちました。感染はいつ再燃してもおかしくありません。志位氏は、「第2波」への備えをしっかり整える緊急策を提起しました。安倍晋三政権は国民の声を真剣に受け止め、必要に見合った支援に転換すべきです。

積極的検査戦略へ転換を

 営業自粛などによる休業者は時間短縮を余儀なくされている人を含めて1000万人を超しているとみられます。雇用調整助成金の支給の遅れを解消することが急務です。中小企業、小規模事業者は申請の煩雑さや、窓口体制の不足を訴えています。簡素な申請手続きや「審査は事後チェック」に転換し、「まず給付」の方式で迅速な支給をすべきです。志位氏は、雇調金と同種のドイツの「クルツアルバイト」制度が簡単な申請で15日以内に給付している例に学ぶべきだと迫り、安倍首相は「参考にする」と答えました。雇用は5月以降さらに悪化しています。よいものは外国に学び、雇用への支援を思い切って強めなければ大量失業になりかねません。

 「第2波」に備えるためには先手を打った検査体制に転換することが何よりも重要です。志位氏は、政府が無症状の濃厚接触者に検査対象を広げたことを一歩前進としつつ、18道県知事の緊急提言を示して「積極的検査への戦略的転換」を政府が宣言することを求めました。医療、介護、福祉施設の関係者には国の責任で無症状者を含めてPCR検査を行う方針を明確にすべきです。

 保健所の体制強化も不可欠です。全国の保健所数はこの30年で半分近く減らされ、新型コロナへの対応でパンク状態に陥りました。新型インフルエンザ対策を総括した10年前の政府の報告書が、保健所の強化を提言したのに安倍政権のもとで保健所がさらに減らされました。首相には反省がありません。「第2波」への備えはもとより、世界で頻発している新興感染症に対処するために保健所をはじめ公衆衛生の体制を一刻も早く強めなければなりません。

 長期間の休校による子どもたちの学習の遅れ、ストレス、格差は深刻です。一人ひとりの子に寄り添い、心のケアにしっかり取り組む手厚い教育、子どもの実態から出発する柔軟な教育が欠かせません。志位氏の提起に対し首相は「子どもたちの気持ちに寄り添いながらしっかりサポートしていく」と答えました。学習内容の重点化や、次年度に学習内容を移すことなど無理なく学びを保障する必要性を首相も認めました。

子どもたちに少人数学級

 そのためには教員を急いで増員する必要があります。志位氏は日本教育学会の提言を示して10万人の教員を増やすことを提案しました。感染対策のためにも不可欠です。教職員の増員はコロナ危機への対応策であると同時に、今後、子どもたちに少人数学級を贈る希望ある政策です。

 コロナ危機で社会のあり方が試されています。長年にわたる医療、教育の削減がさまざまな矛盾を引き起こしています。危機を克服する取り組みを、人間らしい社会への転換につなげることが政治の責任として求められています。


pageup