2020年6月11日(木)
第2次補正予算案に対する藤野議員の反対討論
衆院本会議
日本共産党の藤野保史議員が10日の衆院本会議で行った第2次補正予算案に対する反対討論(要旨)は次の通りです。
世論と野党の論戦に押されて本案に盛り込まれた一定の前向きな支援策―雇用調整助成金の1万5千円への上限引き上げや家賃支援給付金、学生支援給付金創設などについては賛成できます。
しかし、決定的問題は、予算の3分の1を占める10兆円もの予備費です。憲法83条は「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない」と規定しています。
政府は10兆円のうち5兆円の大まかな内訳を示しましたが、予備費には変わりありません。しかも残る5兆円は文字通り白紙です。具体的使途を決めないまま巨額の予備費を政府に白紙委任することは、憲法の財政民主主義に反するものであり、国会の自己否定にほかなりません。このような前例をつくれば将来に重大な禍根を残します。
当初予算で5千億円、第1次補正でも1兆5千億円、計2兆円の予備費が計上され、まだ約1兆6千億円が残っています。リーマン・ショック時(2009年の1兆円)の10倍、東日本大震災時(11年の8千億円)の12倍を超える10兆円もの予備費を新たに組む必要はありません。
政府が5兆円の使途の大枠を示したのは、2次補正に不足があると認めたものです。この5兆円分は政府・与党の責任で修正を提案し議決すべきです。
残る5兆円についても、政府は長期のコロナ対策に使うと述べています。そうであれば、5兆円は削除して、速やかに第3次補正予算を編成し、国会に提出するのが財政民主主義のあり方です。
しかも重大な問題は、この巨額の予備費が、安倍政権が通常国会を延長せず、臨時国会も開かないことを可能にする点です。
新型コロナの「第2波」を抑えつつ、経済・社会活動を再開する新たな局面に入ったもとで、検査と医療の拡充、暮らしと雇用の深刻化に対応した新たな経済対策が必要不可欠です。野党の組み替え案も含め、国会で引き続き審議すべきです。また、審議を通じ、持続化給付金事業などの利権化疑惑はますます深まりました。
さらに、検察官の定年延長問題、河井(克行)前法相の公選法違反事件、辺野古新基地建設など、安倍政権の基本姿勢に関する重大問題でも説明責任が厳しく問われています。
これらの審議のためにも、会期の大幅延長を強く求めます。10兆円の予備費は好き勝手に使いたいが、野党に追及される国会は開きたくない。こんな身勝手な姿勢は断じて許されません。