2020年6月12日(金)
10兆円の予備費 国会継続議論を
BS番組 小池書記局長が訴え
日本共産党の小池晃書記局長は10日夜放送のBS―TBSの「報道1930」で、新型コロナウイルス対策の第2次補正予算案や、持続化給付金をめぐる不透明な業務委託問題、コロナ禍で広がる格差などについて議論しました。
小池氏は、第2次補正予算案について「不十分さはあるが、医療や家賃の問題などで野党の要求が一定程度盛り込まれた」とする一方で「30兆円の財政支出のうちの3分の1が政府の一存で使える予備費になっている」と指摘。「財政活動は国会の承認を得て行うという大原則に反するので反対の態度を取った」と語りました。
国民民主党の大塚耕平代表代行は「賛成したが、小池さんが今おっしゃったように問題がないわけではない」と述べました。
PCR検査拡大 日本も積極的に
番組では新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査が議論になり、約2時間で最大5184件を検査する機器が開発されたことが紹介されました。日本環境感染学会の松本哲哉副理事長は、新型コロナウイルスの特徴として「無症状の状態で他人に感染させるリスクがある」と話しました。小池氏は「大量に検査できる機械を導入して、無症状の人も積極的に検査する。検査の戦略を変えて、症状がなくても検査ができるようにするためには、こうした技術を日本でも積極的に取り入れるべきだ」と述べました。
持続化給付金の不透明な業務委託問題について小池氏は、政府が申請から給付までの期間を2週間以内としていたことを示し、「2週間以内に届いたのは6割にとどまる。完全に失敗だ」と批判。「現場の業者さんが本当に苦労している一方で委託費は電通などに超特急で流れていく。こういうやり方に不信が広がるのは当然だ」と語りました。
さらに、委託を受けた「サービスデザイン推進協議会」が経産省に提出した企画提案書の主要部分が黒塗りにされていることに言及。「一番知りたいところを隠しているということは、国民に説明する気が経産省はないのか」と指摘しました。
コロナ禍で格差 雇用確保本気で
小池氏は、同協議会が4年間で1576億円の政府事業を受託し、9件の事業を電通やパソナなどに再委託していたことについて、「経産省、官邸、電通との異常な関係が背景にあってこういう仕組みが恒常的に出来上がってきた」と主張。「2次補正では事務費が850億円追加される。さらに大きな委託費が付くわけだから徹底解明が必要だ」と話しました。
コロナ禍で広がる格差の問題について小池氏は「一番苦しい人に大きな打撃となり、格差が進行しているのは本当に深刻だ」と指摘。労働力調査で非正規労働者が前年同月比で97万人減少し、30~40代の女性が一番減っていることなどを示し、「シングルマザーや家計を支えているアルバイトなどが真っ先に切られている」と指摘しました。600万人近くに上る休業者を加えた失業率は10%を超えると警鐘を鳴らし、「休業している人たちを失業者にしないために、雇用の確保を政府が本気で取り組まなければならない」と強調しました。
大塚氏も「雇用が失われれば、その結果企業もますます業績が悪くなるという悪循環に入る」と述べました。
最後に、視聴者から国会を閉じてしまうと2次補正予算に計上されている10兆円の予備費の使い道を監視できないのではないかという質問が届きました。小池氏は、野党は会期延長を求めており、今後も国会で継続的に議論をする場をつくらないといけないと語りました。