2020年6月17日(水)
陸上イージス計画停止
世論と論戦の成果、辺野古もただちに中止を
小池書記局長が会見
日本共産党の小池晃書記局長は16日、国会内での記者会見で、河野太郎防衛相が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の秋田、山口両県への配備計画を停止すると発表したことへの受け止めを問われ、「周辺住民の怒りの声、野党の論戦の結果だ。政府は引き続き再調査という形で配備計画に固執しており、この姿勢を根本から改め、『イージス・アショア』の配備計画を撤回し、断念すべきだ」と語りました。
小池氏は、「技術的な問題を理由にしているが、ミサイルのブースターが住宅地などに落下する危険があることは以前から繰り返し指摘されていた。それに耳を貸さなかった政府、防衛省の責任は極めて重大だ」と批判しました。
配備計画は、安倍晋三首相がトランプ米大統領と兵器“爆買い”の約束をしたことから始まり、秋田、山口両県への配備理由も、北朝鮮からハワイやグアムの基地に飛ぶミサイルを迎撃するためだと言われてきたと指摘。米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)が日本列島を「米国防衛の巨大な盾、巨大なイージス駆逐艦」だとしていることに触れ、「これは米国防衛のためのものに他ならない」と語りました。
河野防衛相が「コストと期間を考えれば合理的でない」と述べたことをあげ、「コストと期間が最も問われているのは、沖縄・辺野古新基地だ。技術的にも破綻し、民意にも背き、莫大(ばくだい)なコストと期間を要する辺野古新基地建設もただちに中止するよう合わせて求める」と語りました。
さらに、河野防衛相が12日までに計画停止を内定していたとして、「(首相出席の)参院決算委員会が終わるまで一切発表せず、終了後に発表したという、国会を無視、愚弄(ぐろう)するようなやり方自体にも怒りの声を上げたい」と表明。すでに米国政府と約1800億円の契約(FMS)が交わされ、そのうち125億円を支出しているとして、「国民の大切な血税を浪費して、破綻したことの責任も問われる」と述べました。