2020年6月20日(土)
2018年度決算に対する岩渕議員の反対討論
参院本会議
日本共産党の岩渕友議員が17日の参院本会議で行った2018年度決算に対する反対討論の要旨は次の通りです。
反対理由の第1は安倍政権によって財政への信頼が根本から損なわれているからです。
「森友学園」問題で、自殺に追い込まれた財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんの手記が公開され、改ざんは「佐川局長の指示だ」と断言したことなどが明らかになりました。
佐川氏の不起訴処分について官邸が法務省を通じて検察に介入したことがすでに問題になっており、当時の法務省事務次官は、黒川弘務前東京高検検事長です。真実を求める声に背を向けることは許されません。
安倍首相が「桜を見る会」に後援会員らを多数招待し、18年の支出額は予算額の約3倍となりました。招待者名簿は「廃棄した」とし、なぜ悪徳商法を繰り返したジャパンライフ会長が招待されたかなど疑惑に答えていません。
持続化給付金の不透明な業務委託が問題となっています。給付金が一部企業の食いものにされることはあってはなりません。
第2は、国民に増税や社会保障の負担増を押し付け、大企業や富裕層には優遇措置を進めてきたからです。安倍政権は、年金の削減や医療費窓口負担の引き上げなどを続け、社会保障予算は概算要求時に自然増を1300億円も圧縮しました。
新型コロナウイルス感染症が広がる中、検査・医療提供体制の脆弱(ぜいじゃく)性が露呈しました。10年の厚生労働省の報告書はPCR検査体制の強化が必要だと結論づけましたが、安倍政権は国立感染症研究所や保健所などの人員と予算を減らしてきました。人員と予算の抜本的強化、医療機関・介護事業所への損失補てんを求めます。
19年10月の消費税10%への引き上げは個人消費に大打撃を加え、新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけています。消費税減税を断行すべきです。
第3は、際限ない軍拡路線を進めてきたからです。トランプいいなりの米国製兵器の爆買いは、価格も納期も米国まかせのFMS(対外有償軍事援助)で進められ、額は急増しました。
河野防衛相はイージス・アショア配備計画について「コストと期間」を理由に停止を発表しました。住宅地に近接した場所への配備計画自体が無謀であり、自治体や住民の運動に押され、事実上の中止となりました。計画を撤回、断念するよう求めます。
莫大(ばくだい)な「コストと期間がかかる」、辺野古新基地建設も中止すべきです。工事再開の強行は、沖縄県議選で示された新基地建設反対の民意を踏みにじるものです。軍事費を削り新型コロナウイルス対策にまわすべきです。
原発推進のエネルギー政策からの転換を求めます。