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2020年6月25日(木)

「東京アラート」何だった

小池知事 新基準示さず

出馬表明前日に解除 その後、感染増

新規感染者 東京は55人

写真

(写真)新型コロナウイルス感染再拡大の兆候が表れた際に警戒を呼び掛ける「東京アラート」が発動され、赤くライトアップされたレインボーブリッジ=2日、東京都港区

 24日の東京都の新型コロナウイルス新規感染者は55人となり、先月25日に緊急事態宣言の解除後、最多になりました。都がコロナ感染に警告を発する「東京アラート」(2日発動)が11日に解除されましたが、その後感染者数は解除前より増加傾向にあります。

 都はその下で、19日からは基本的に全業種での休業・自粛要請を解除し、小池百合子知事は、改めてアラートを出すことはないと表明しました。都は15日に、「東京アラート」に代わる、警告を出す指標の見直しに向け、専門家を交えたワーキングチームを発足させました。都の担当者は「これまで会議は15日を含めて2回開いた。専門家の意見を聞いている段階だ」と説明しています。

 直近の感染者数の状況(表)を見てみると、アラート発令の3基準のうち、2基準でアラートを発令する状態になっています。

 小池知事はアラート解除にあたり「数字は落ち着いており、東京アラートの役目も果たしたのかなと思う」と述べましたが、14、15日と連続で新規感染者数が1日40人を超え、平均でも30人を超える事態となり、到底「落ち着いて」いる事態ではありません。

図

 感染者が拡大傾向を示す中で、新たな警戒目安も示さないまま、ワーキングチームの結論待ちという姿勢では都民の命と暮らしを守ることはできません。

 さらに、アラート解除は小池知事が都知事選に出馬を表明した前日であり、全業種への休業・自粛要請解除は都知事選告示の翌日です。

 「警戒を強化したり緩めたりする手綱が恣意(しい)的ではないか、との疑念が残る」(東京新聞13日付社説)との批判も出ています。

 そもそも「東京アラート」は、赤い光で都民に注意喚起するだけで、都が何をするのか肝心なことを示さず、都民の自己責任に委ねるものでした。これが感染拡大防止のためのものと言えるでしょうか。「東京アラート」は何だったのか、多くの都民から疑問の声が上がっています。


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