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2020年6月27日(土)

米 フロイドさん殺害から1カ月

人種差別撤廃へ国民動く

警察改革も課題に

 【ワシントン=遠藤誠二】米中西部ミネソタ州ミネアポリスで起きた警官による黒人男性ジョージ・フロイドさんの殺害事件から25日で1カ月がたちました。同日もワシントン、ニューヨークなどをはじめ全米で抗議デモが続きました。警察改革の論議が始まる中、警官による新たな黒人男性殺害事件も発生するなど、人種差別問題の根深さが改めて示されています。他方、人種差別撤廃へさまざまな行動が起き、国民の意識の変化もみられます。


 23日、南部ジョージア州アトランタで12日に警官に射殺された黒人男性レイシャード・ブルックスさんの葬儀が行われました。故キング牧師の娘バーニスさんは葬儀で、「私たちの声が届き、警察改革をめぐる要求が実現されるまでデモを止めることはない」と話しました。同州では24日、今年2月にジョギング中の黒人男性を射殺した白人男性3人が殺人罪などで起訴されました。

 連邦下院は25日、民主党が提案した警察改革法案を賛成多数で可決しました。一方、上院では共和党が提出した法案審議入りが民主党の反対で必要な数が得られず否決されました。フロイドさん死亡の原因となった首の気道圧迫の禁止などが明確に盛り込まれないなど、抜本改革に「不十分」というのが理由。警察改革法実現の見通しは立っていません。

 一方、人種差別撤廃にむけたさまざまな行動が起きています。

 ニューヨークのアメリカ自然史博物館は21日、先住民とアフリカ系住民を従えて馬に乗るセオドア・ルーズベルト元大統領の彫像を「人種差別的」との理由で撤去しました。南北戦争時代、奴隷制を支持した南軍の司令官リー将軍の彫像は、リッチモンド、フィラデルフィア、ボルティモアなどの各都市で撤去や撤去が決定するなどしています。また、ホワイトハウス前にある奴隷を所有し先住民を弾圧したジャクソン大統領の像も撤去を求める対象となっています。

 フロイドさん事件の起きたミネアポリスに本拠地を置く大リーグ球団ミネソタ・ツインズは、生前に黒人差別発言をしたグリフィス元オーナーの立像を撤去。南軍旗の掲揚についても米海軍が禁止するなど官民あげて人種差別反対の取り組みが進んでいます。

 AP通信とシカゴ大学が共同で行った世論調査では、警察による暴力が「かなり深刻」との回答者が5年前から16ポイントあがり48%、「深刻」と含め79%になりました。


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