2020年7月1日(水)
環境放出以外も検討を
原発汚染水 団体から聴取
東京電力福島第1原発の放射能汚染水を処理した後に薄めて海に流す案などの処分方法をめぐって、政府は30日、消費者団体や中小企業団体などに意見を聴く会合を開きました。環境放出しない別の方法の検討を求める意見や風評被害を心配する声があがりました。同会合は4回目。
全国消費者団体連絡会の浦郷由季事務局長は、海洋放出か大気放出かの二者択一ではなく、大型タンクでの保管継続やモルタル固化など市民からの具体的提案の検討を要望。地元自治体や漁業関係者から多数あがった海洋放出反対の声を受け止めるよう求めました。
汚染水問題が、多くの国民に知られておらず理解もされていないと指摘。丁寧な説明が必要だと述べました。
さらに、いったん事故を起こせば取り返しがつかない原発をやめて、再生可能エネルギーを進めることも、事故に対する責任の取り方だと述べました。
全国商工会連合会の苧野恭成事務局長は、風評被害に苦しんでいる中小企業の立場から発言。処分すれば「さらに苦境に陥ることが懸念される。(タンクに保管している)現状を維持してほしい」と述べました。また事故の年に開いた物産展で、スタンプラリーの景品だった福島産米を当選者が持ち帰らず、出店者が泣いていたという話を紹介しました。
中小の小売業でつくる日本ボランタリーチェーン協会の中津伸一常務理事は、風評被害への懸念を表明。「消費者が購入してくれないとお店で扱えない。中小店には死活問題になる」と述べました。