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2020年7月7日(火)

主張

20年世界大会

核なき世界へ連帯・共同さらに

 人類史上初めて核兵器を違法化した核兵器禁止条約が、国連会議で成立して7日で3年です。条約批准国は38カ国になり、発効に必要な50カ国まで12カ国と迫りました。広島・長崎の被爆75年の今年8月、新型コロナウイルス危機の中でオンライン開催となる原水爆禁止2020年世界大会は、核兵器廃絶の流れを加速させる上で、大きな意義を持っています。

脅威を知る人たちの声を

 被爆者や核実験被害者は長年にわたり、核兵器の非人道的な被害を告発してきました。核戦争防止国際医師会議のカルロス・ウマーニャ博士は「(コロナ禍は)専門家の警告を政府が否定し、無視することから起きた」と述べ、核破局の警告に政治が耳を傾けるべきだと訴えました(4月25日のオンライン世界大会ニューヨーク)。

 環境学者は、世界の核兵器の1%未満が爆発しただけで粉じんによる気候変動が起き、20億人が飢餓に陥ると警鐘を鳴らします。世界の政治家は、核兵器の脅威を知る人たちの声を真剣に受け止め、核兵器廃絶に踏み出す時です。

 とりわけ核大国やその同盟国の責任が問われます。アメリカのトランプ政権は2月、海上発射の小型核弾道ミサイルを配備するなど「使える核」の開発を進めています。ロシアのプーチン大統領も、核兵器を先制的に使用できる政策に署名しました。他の核保有国も、自衛のために「核抑止力」が必要だとする姿勢を変えません。

 グローバルな危機に「自国優先主義」では対応できません。むしろ、それを振りかざすことが、人類に重大な危機をもたらします。それは、核兵器やコロナだけでなく気候変動や貧困問題を見れば明らかです。いま求められているのは、一人ひとりの人間の安全を優先する国際的な協調と協力です。

 オンライン開催となる8月の原水爆禁止世界大会(2日=国際会議、6日=広島デー、9日=長崎デー)には、これまでにも増して熱い期待が寄せられています。ノーベル平和賞授賞式で演説した被爆者のサーロー節子さん、ローマ教皇に訪日を訴えてきたカトリック長崎大司教区の高見三明大司教があいさつします。世界の反核平和運動の代表とともに、核兵器禁止条約を推進してきたオーストリア、マレーシアの政府代表も発言します。市民社会と諸国政府が共同で核兵器廃絶を訴える世界大会は、対立や分断ではなく、連帯と共同を求める国際的な流れを推し進め、新たな世界への希望を語り合う場になるでしょう。

 日本では、トランプ政権に追随し核兵器禁止条約に背を向ける安倍晋三政権への怒りが高まっています。政府に禁止条約への参加を求める意見書を可決した地方議会は、467へと広がっています。被爆75年の節目の年、日本が被爆国にふさわしい役割を果たすよう政治の転換が急がれます。

草の根からの行動を広げ

 世界大会開催と結び8月6~9日に国際共同行動「平和の波」が呼びかけられ、世界各地で多彩な行動が準備されています。国民平和大行進はオンラインを含め創意ある形で取り組まれています。「ヒバクシャ国際署名」は1200万人に迫っています。コロナ禍という条件のもとで、新しい行動を草の根から広げ、世界大会を成功させることが求められています。


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