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2020年7月11日(土)

石炭火力 政府固執

戦略骨子 輸出の枠組み温存

 政府は9日、二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭火力発電の輸出に対する支援について、相手国の脱炭素化に向けた方針を確認できない場合は行わないなどの新たな条件を付けた次期インフラ輸出戦略骨子を「経協インフラ戦略会議」(議長・菅義偉官房長官)で決定しました。「石炭中毒」などと国際的な批判を浴びている石炭火力輸出への政府支援の枠組みは温存されました。

 これまでのインフラ輸出戦略は、石炭をエネルギー源として選択せざるを得ないような国に限り、高効率の石炭火力発電を対象にするなど4要件を条件に支援を行うとしていました。

 次期戦略骨子では、今後新たに計画される石炭火力について、2国間協議の枠組みを持たないなど、脱炭素化に向けた方針を日本側がよく知らない国には「政府としての支援を行わないことを原則とする」と明記。一方、4要件に加え、当該国が脱炭素化に向かい、発展段階に応じた行動変容をはかることなどが支援の条件に加わりました。

 また、エネルギー・電力分野の輸出については、「官民一体となったパッケージ型提案力の強化」をうたい、再エネ協力などと並んで原子力の育成強化を図るとしています。

 欧州諸国を中心に脱石炭化の流れが加速しています。日本は世界の流れに背を向け、石炭火力を「ベースロード電源」と位置づけ、国内の新設計画に加えて石炭火力輸出を政府が支援してきました。


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