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2020年7月14日(火)

主張

在沖米軍感染拡大

地位協定を緊急改定すべきだ

 沖縄県内の米軍基地で新型コロナウイルスの感染者が急増し、県民の不安が高まっています。玉城デニー県知事は、県民が一丸となって感染防止に取り組む中、米軍基地内で多数の感染者が出たことは「極めて遺憾」であるとし、米軍の対策に「強い疑念を抱かざるを得ない」と批判しています。必要な情報公開と徹底した感染拡大の防止を米軍に求めるとともに、米軍が日本側の検疫を受けず自由に入国できる主権侵害の状態を解消するため日米地位協定を改定することが急務です。

行動履歴含め情報公開を

 県の発表によると、7日から13日までの米軍基地内の感染者数は、普天間基地(宜野湾市)で71人、キャンプ・ハンセン(金武町、宜野座村、恩納村、名護市)で22人、牧港補給地区(浦添市)で1人の計94人となっています。いずれも米海兵隊基地です。6日までの沖縄の米軍基地での感染者が4人だったのに比べ、急激な拡大です。

 県は、米軍や政府に▽感染者数の速やかな公表▽普天間基地とキャンプ・ハンセンの閉鎖と感染拡大防止の徹底▽米本国などから沖縄への移動禁止▽基地内の医療・検査体制に関する情報提供―などを要求しています。また、米海兵隊が北谷町の民間ホテルを借り上げ、海外からの人事異動者らの隔離施設として使用していることに批判が上がっていることに関し、米軍関係者の移動制限措置は基地内で実施するよう求めています。

 菅義偉官房長官は13日の記者会見で、今回の事態に関し「米軍施設・区域の医療関係機関と地元の保健所との間で感染者の行動履歴の追跡などを含め、必要な情報は共有している」と述べました。しかし、保健所を含め県には、行動履歴や所属・階級、居住地などの情報は入っていないといいます。早急な改善が求められます。

 加えて重大なのは、米軍が日本に入国する際の検疫について日米地位協定に規定がないことです。

 日本は現在、コロナの水際対策として米国からの入国を原則禁止しています。ところが、地位協定は、米軍が日本に自由に入国できることを定めています。

 同協定の実施について協議する日米合同委員会が1996年に結んだ「人、動物及び植物の検疫に関する合意」は、米軍関係者などが航空機や船舶で在日米軍基地から日本に入国する場合の検疫は、米軍の医官が必要な時に実施するとしています。完全に米軍任せです。

 米国防総省の発表によると、米軍全体のコロナ感染者数は10日現在、軍属や家族などを含め、2万3842人にも上っています。コロナに感染した米軍関係者などが在日米軍基地から入国してくる可能性は極めて高いにもかかわらず、日本の国内法は適用できず、日本側が検疫できないのが実態です。

検疫で国内法適用緊急に

 沖縄県をはじめ米軍基地を抱える15都道府県で構成する渉外知事会はこれまでも、基地周辺住民の不安を払拭するため、国内法を適用し、米軍に対しても日本側による検疫を実施する必要があると政府に要請しています。

 米軍の治外法権的な特権を認める日米地位協定は全面的な見直しが必要です。しかし、コロナ対策として、検疫について日本の国内法が適用できるようにする緊急の改定が強く求められます。


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