2020年8月2日(日)
ペリー元米国防長官 核兵器廃絶を訴え
「核の脅威 冷戦最悪期並み」
長崎で国際シンポ
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長崎市内で1日開かれた国際平和シンポジウム2020「核兵器廃絶への道~世界の危機に、歩みを止めない」(主催=長崎市など)に、ウィリアム・ペリー元米国防長官がオンラインで参加し、核による脅威が冷戦最悪期に匹敵するとして、核兵器廃絶にむけた取り組みを進めるよう訴えました。
ペリー氏は、冷戦当時のソ連が奇襲攻撃を計画しているという前提を基に、米国は自国の核兵力を増強し、米ソの軍拡競争を引き起こしたと指摘。今日、米ロ対立が激化するもとで、その考えは一層明白になり、「第2の冷戦時代と呼ぶべき事態となっている」と主張しました。
ペリー氏は、これまでに、装置の不具合や人的ミスによる誤警報や間違った情報を基にした政治的誤算で、大惨事につながる可能性があったことに言及。米国では、大統領が核兵器使用を命令する唯一の権限を持っていると述べ、誤りによって核戦争が引き起こされる危険性を指摘しました。
今日、米ロが保有する熱核爆弾は、1発で広島・長崎に投下された核爆弾の100倍の破壊力を持つとし、「核兵器は人類の存亡にかかわる脅威」だと警鐘を鳴らしました。
1986年に、当時のレーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が行った会談で、核兵器全廃が検討可能であることを示したと主張。「この恐るべき問題を恒久的に解決する唯一の方法は、核兵器の廃絶だ」と強調し、行動を呼びかけました。