2020年8月5日(水)
沖縄 感染者が急増
防疫的観点 国は検査体制整えよ
沖縄県で新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大しています。3日の県議会臨時会で玉城デニー知事は「病床が、逼迫(ひっぱく)する状況にある」と危機感を示しました。県がさまざまな手を尽くす中で、さらに感染防止体制を強化・拡充するためには、国の方針転換や財政支援がいよいよ急務です。(小林司)
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県内の感染者は4日、新たに1日あたり過去最多の83人が確認され、累計637人になりました。県内の1週間の新規感染者数(3日時点)は10万人あたり23・61人で、全国で最も多い割合です。
感染者は7月以降で計495人が確認され、2~4月までの感染者数(142人)の3倍以上です。4日正午時点の病床利用率は109・8%です。県は新型コロナ対策で3月以来、5次にわたって補正予算、あわせて約1075億円を計上し、検査体制強化や医療提供体制の拡充、病床確保に努めています。
予算面の課題
日本共産党県議団は先月30日、PCR等の検査体制を防疫的な検査に転換し、大規模に行うことや、感染震源地(エピセンター)を明確にした上での集中検査の実施を県に要請。水際対策として来県者の出発地での事前検査などを国に実施させることも求めました。
3日の県議会臨時会では、渡久地修党県議団長の質問に、大城玲子県保健医療部長は「防疫的な観点から検査体制を整えることは、非常に重要だ。しかし、国の方針等もまだそういう舵(かじ)を切ることができていない。予算面の課題も非常に大きい」と答弁しました。
渡久地一浩県文化観光スポーツ部長は「沖縄は島嶼(とうしょ)県であり、水際対策の徹底が重要だ。出発地での事前検査は国による相応の対応が必要で、全国知事会を通して法的整備と財政面での支援策を国に求めている」と答えました。
米軍基地にも
渡久地団長は、在沖縄米軍基地で感染が拡大している問題についても質問。大城部長は県として先月25、26日に米軍基地従業員へのPCR検査を実施したことを紹介。「基地従業員や出入り業者等については本来、日本政府や米軍の責任において感染防止対策を行う必要がある。検査についても国に働きかけている」と述べました。
渡久地団長は、島嶼県であることに加え、在日米軍基地が集中する沖縄の現状に触れ、「県は一生懸命やっている。日本政府の責任を明確にして国に予算を要望する必要がある。予算がつけば体制を整えていける」と述べました。
デニー知事は「国の責任において行っていただくことは国に、(県が)できることはしっかりと予算と権限を配置していただくよう要請していく」と述べました。