2020年8月5日(水)
関東大震災の朝鮮人追悼式
「誓約書」なし開催へ
都が撤回
関東大震災直後のデマで虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典で、東京都が実行委員会に会場使用の条件としていた「誓約書」提出の要請を取り下げたことが3日、実行委員会の発表で明らかになりました。式典は例年通り開催されます。
式典は日朝協会などでつくる実行委員会が1974年から毎年9月1日に、都立横網町公園(墨田区)の朝鮮人犠牲者追悼碑前で開いてきたもの。2017年以降、排外主義右翼団体が同時刻にぶつける形で朝鮮人虐殺の事実を否定するヘイトスピーチ(差別扇動行為)を繰り返す集会を開くようになりました。
都は昨年12月、右翼の妨害策動を背景に、式典実行委員会にたいして会場使用条件を示し、これを守れない場合は「次年度以降、公園地の占用(使用)が許可されない場合があることに異存ありません」とする「誓約書」の提出を求めました。
同実行委員会は、ヘイトスピーチなど問題を起こしている集会と平穏に行われている式典を同列に規制することは不公正だとして5月に抗議声明を発表。その後、都内に住む日本語教師の男性が個人で呼びかけた「誓約書要請撤回」を求めるネット署名に3万人が応じたほか、知識人による共同声明、自由法曹団東京支部の声明、東京弁護士会の会長声明など広範な抗議の声が上がっていました。
同実行委員会はコロナ対策のため、式典行事は例年通り行いつつ一般の参加は取りやめ、インターネット中継を行うとしています。