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2020年9月8日(火)

安倍政権追い詰めた7年8カ月(6)

陸上イージス 配備撤回

写真

(写真)イージス・アショアの配備計画撤回を求めて抗議する人たち=2019年7月3日、山口県庁前

 「日米同盟を強化していくことに変わりはないので安心してほしい」。安倍晋三首相は辞任表明から3日後の8月31日、トランプ米大統領との電話会談で「日米同盟強化は不変だ」と誓いました。

共闘の流れ

 日米安保体制のもと、対米従属を基調としてきた歴代政権の中でも突出していたのが安倍政権です。行き過ぎた「アメリカいいなり政治」への疑問の声がかつてなく高まっています。

 最たる例が、圧倒的な国民の反対世論を踏みにじって強行した安保法制=戦争法をめぐる動きです。安倍首相は辞任表明の会見で、レガシー(政治的遺産)として戦争法制定をあげ、「助け合うことができる同盟は強固なものになった」と誇りました。首相は持論である「血の同盟」=日本が海外で米軍と肩を並べて戦争できる国をつくるため、歴代政権が憲法上できないとしてきた集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定を強行。これに基づき安保法制がつくられました。

 自民、公明両党の数の力で成立が強行されましたが、多くの憲法学者や元内閣法制局長官、防衛官僚などが公然と異を唱えました。何より10万人を超える人々が国会前を埋めつくし、市民と野党の共闘という戦後かつてなかった流れを生み出す原動力になりました。

爆買い続け

 もう一つの表れが、「バイ・アメリカン(アメリカ製品を買え)」を掲げるトランプ大統領に迎合し、F35Bステルス戦闘機などの米国製武器の爆買いを続けたことです。その結果、2020年度予算では軍事費が過去最大の5兆3000億円を突破し、6年連続で過去最高を更新。既に発注済みの兵器のローン残高(後年度負担)も膨らみ、将来の財政の圧迫を招いています。

 しかし、総額1兆円とされる超高額兵器・陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」は配備断念に追い込まれました。配備反対の声を上げ続けた地元住民や全国での連帯した運動、野党の論戦が破綻に追い込みました。「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動阿武・萩実行委員会」の米津高明共同代表は「地元では当初からブースターの住宅地落下や水源汚染などの問題が懸念され、宣伝や署名集め、ビラ配布など多くの人たちが頑張りました。署名は3万~4万人に上り、住民の結束した運動が撤回への大きな推進力になりました」と振り返ります。

 (つづく)


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