2020年9月10日(木)
河井夫妻公判
1.5億円“別口座で管理”
元会計担当者「自民本部提供」
昨年7月の参院選で、票の取りまとめ依頼の目的で地元関係者に現金を配ったなどとして、公職選挙法違反(買収など)の罪に問われている前法相で衆院議員の河井克行被告と妻で参院議員の案里被告=いずれも自民離党=の第7回公判が9日、東京地裁でありました。河井陣営で会計を担当した元女性職員の供述調書の朗読と、この元職員の尋問が行われました。
元職員はハローワークに河井事務所が出した求人情報を見て2019年4月に採用され、同10月に退職。5月には会計担当を引き継ぎ、参院選では案里被告の選挙運動費用収支報告書の作成にも携わりました。
読み上げられた調書によると、元職員は案里被告が代表を務める自民党支部などの資金を複数の口座で管理し、残高などを毎日、克行被告に見せるよう指示されていました。
また、自民党本部から受け取った資金は他の資金と別の口座で管理していたと供述。資金が不足した時に「すでに党本部から計1億2千万円を受け取ったと聞いていたのでまだもらえるのか疑問だったが、同年6月ごろ追加で3000万円が振り込まれた」とも述べ、合計1億5千万円が党本部から提供されたと語りました。
銀行が閉まった夜間に数百万円分を克行被告に頼んだことがあるとも供述。翌日には封付きの現金を手渡されたとして「(克行)代議士の自宅などに現金が用意してあるのかと思った」などと述べました。