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2020年9月11日(金)

文化芸術活動継続支援事業

音楽CDは対象外

ロックミュージシャン怒る

 「コロナ禍でも音楽活動を再開したい」。そんな切実な思いが届きません。12日から第3次募集が始まる文化庁の「文化芸術活動の継続支援事業」(30日まで)は、“新しい”活動に対象が限定されて幅広い補助になっていません。(小川浩)


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(写真)ワタナベマモルさん

 あきれはてているのは、ロック・ミュージシャンのワタナベマモルさんです。ワタナベさんは、全国各地のライブハウスを中心に音楽活動をしています。コロナ禍の今は、音楽の収入は、ほとんどありません。そんな窮地でも、音楽CDを制作しました。

 「CD作成は作詞、作曲、演奏、録音など、ライブと同様、音楽に関わる重要な表現活動」とワタナベさん。

 「文化芸術活動の継続支援事業」の補助金のことを知り、ようやくたどり着いた文化庁のホームページで、内容を読んでみると「補助対象外経費」の欄に「販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等生産・調達に係る経費」と書かれていました。

 要するに売る目的の音楽CDは補助しない。しかし、インターネット上で配信する公演は補償の対象になる―。

 ワタナベさんは、「電話対応した文化庁の人もおかしいと認めていた。無観客の動画配信は新しい技術で大金がかかる。大手じゃなきゃできない。やってるフリの名ばかりの文化芸術支援だよ」と憤ります。

 ワタナベさんの要望を受けとめて文化庁に問い合わせた日本共産党の小池晃書記局長は、「この支援事業の予算は全体で509億円ですが、支給決定は13・8億円。よほど活用しにくい補助金制度だということがよくわかります」と言います。

 小池さんは、「文化庁によると、有料のCDであっても、『広報目的』ならば、補助金の対象になる可能性があるとのことでした。しかし、動画配信ならば営利目的でも対象になるのですから矛盾した話です。文化庁も矛盾は認めています。だいたい予算のごく一部しか使っていないのですから、ひきつづき、対応を求めていきたい」と力強く語りました。

 文化芸術活動の継続支援事業 予算は全体で509億円。4日時点で、申請件数は2万2250件、「交付決定」4981件、金額は13億8000万円にとどまっています。申請内容について判断するのは、日本芸術文化振興会。


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