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2020年9月12日(土)

菅官房長官が消費税増税発言

火消しに躍起も撤回せず

自民政治の本音出た

 自民党総裁選に立候補した菅義偉官房長官が10日夜のテレビ東京の番組で、現在10%の消費税の税率について、「これだけの少子高齢化社会、どんなに私どもが頑張っても人口減少は避けることはできない。行政改革を徹底して行った上で、消費税は引き上げざるを得ない」などと発言しました。


 批判を受け菅氏は11日の記者会見で「将来的な話として答えた」「安倍晋三首相はかつて『今後10年ぐらい(消費税率を)上げる必要はない』と発言している。私も同じ考えだ」と慌てて軌道修正を図りましたが、発言は撤回していません。

 日本共産党の田村智子政策委員長は11日、国会内で記者会見し、「消費税がどれだけ国民の暮らしや中小企業の経営にとって重大な問題をもたらしているのか、まったく理解していない」と批判しました。

 番組で菅氏は、総裁選で争う石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長と共に「消費税は将来的に10%より引き上げる必要がある」との質問に、「○・×・△」で回答。石破、岸田両氏は「△」と答えたのに対し、菅氏だけが「○」と答えました。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響に加え消費税の10%への増税で日本経済、国民の生活が窮地に陥っている時に、さらに国民に負担を押し付けようとする菅氏の発言に批判の声が起こっています。

 菅氏はこの間、「自助・共助・公助」を自身の目指す社会像として掲げ「自分でできることはまず自分で」と自己責任論を前面に押し出しています。「自助」を最優先に求めつつ国民には負担を強いる自民党政治の“本音”が表れています。

必要なのは減税

消費税をなくす全国の会事務局長 木口力さん

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(写真)木口力さん

 総裁候補の菅義偉氏は、10日のテレビ討論で「消費税は引き上げざるを得ない」と発言。ところが一夜明けると「安倍総理は『10年間あげる必要はない』と発言しており、私も同じ考えだ」と火消しに躍起です。増税発言に国民の批判が殺到したためと考えます。ただそれでも「10年先を念頭に置いたものだ」と増税の本音を語っています。

 それだけ消費税は国民の重大な関心事です。私たちのアンケートで、昨年10月の10%への増税で「負担が増えた」は8割を超え、「減税・廃止」を9割の方が求めています。

 もともと安倍政権は消費税率を5%から10%に増税し、くらし、営業、景気を悪化させました。これに菅氏は官房長官として重大な責任があります。

 いまコロナ禍に苦しむ家計と中小企業を支援し、内需を拡大するためには、付加価値税(日本の消費税に相当)を引き下げたドイツ、イギリス、韓国など約20カ国のように、消費税率を5%へ減税することが決定的に重要です。

 総選挙で市民と野党共闘の勝利、野党連合政権の樹立で減税を実現するため全力を尽くします。

地域の実態見て

岩手県奥州市議会議員(無所属)菅原由和さん

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(写真)菅原由和さん

 菅官房長官が10日、消費税増税に言及しました。もう少し、地域の現状を把握したうえで発言していただきたいと思います。

 奥州市でも、温泉などへの観光客が新型コロナの影響で激減するなど、地域経済は大きな打撃を受けています。昨年10月の消費税増税で冷え込んでいるところへの打撃で、多少の経済対策で回復できるものではありません。いま必要なことは、消費税を5%に下げ、消費を下支えすることです。

 奥州市議会は6月議会で、消費税の5%への減税を国に求める意見書を賛成多数で可決しました。私も賛成討論に立ちました。国政を見れば、与党にも消費税減税を主張する議員はいます。減税を求める声を地方議会からあげることは重要なことだと考えます。

 コロナ禍のもと、経済をどう回復させるのか。消費税減税を含め、国会で真剣な議論を進めてもらいたい。


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