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2020年9月19日(土)

行政処分遅れ被害拡大

“広告塔”の責任問え

ジャパンライフ問題を追及 大門実紀史参院議員の話

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 悪徳マルチ商法で高齢者を食い物にしてきた「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長が逮捕されました。山口元会長は安倍晋三前首相が主催した「桜を見る会」に招待され、その招待状を最大限活用しました。招待状を送って被害を拡大させた安倍前首相の責任は重大です。

 ジャパンライフの被害者は7000人、被害総額は2100億円の巨大詐欺商法事件です。2014年に行政指導をうけたジャパンライフは、本格的な立ち入り検査も時間の問題だと考え最後の「荒稼ぎ」を始めたと思われます。強引な勧誘が出て、苦情相談、告発が増えたのは15年でした。

背景の解明を

 そのときに最大限使われたのが15年2月の安倍首相の招待状でした。ただの広告塔に使われたというだけでは済みません。最後の「荒稼ぎ」の非常に悪い時期に、わざわざ招待状を送って被害拡大に協力したことになります。被害者からは「あの『招待状』を信用した」という声が出ています。「安倍首相は共犯だ」という声が出るのは当然です。

 ジャパンライフの2014年の行政指導をめぐっては、より厳しい「行政処分」が検討されていたのに、政治的影響のもとで抑え込まれた経過もあります。当時、消費者庁内では「行政処分」を前提に立ち入り検査するべきだという意見が出されていましたが、立ち入り検査を主張していた課長が人事異動になりました。私が入手した文書では、新課長のもとで「処分」ではなく「注意」にとどめる方針転換が決められています。添付された文書には「※政治的背景による余波懸念」とも書いてあります。方針転換の背景に、どんな政治的背景があったのかも解明が必要です。

 その後、消費者庁はようやく15年9月に立ち入り検査に入りますが、そこから1年3カ月以上も処分が出ませんでした。普通なら7、8カ月で処分が出ますが、最初の営業停止処分は16年12月まで遅れました。

告発迫ったが

 しかもジャパンライフは17年12月まで4回の行政処分を受けますが、これを無視して「営業」を続けました。業務停止命令を無視して最後まで「荒稼ぎ」して逃げました。私は国会で「刑事告発しろ」と迫りましたが、結局ジャパンライフが営業を停止したのは18年2月に弁護団が破産手続き開始を申し立ててからでした。安倍前首相の招待状はジャパンライフの延命に最後まで「活用」されたのです。

 安倍前首相の責任とジャパンライフに対する行政処分の遅れの背景を解明することは、引き続き重要な政治の課題となっています。


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