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2020年9月21日(月)

コロナ禍長期化 大学生活に支障

オンラインつらい 友人つくれず 研究できない

不安募る学生たち

 コロナ禍が長期化し多くの大学では、夏休み後も通常の講義ができない状況が続いています。学生からは「部屋にこもりきりでのオンライン授業はつらい」「まだ友だちができない」「思うように研究ができない」など不安の声があがっています。(原千拓)


 京都市の大学4年生の松本理沙さん(23)=仮名=は言語聴覚士資格の取得を目指しています。言語聴覚士は言語や聴覚に障害などをもった人に助言や訓練をします。松本さんは6~7月予定だった病院実習がすべてなくなり、学内演習のみとなってしまいました。

今後の進路

 希望する進路のため他大学の編入試験を考えていた松本さん。「実習の延期期間と大学の試験日が重なってしまったため、受験申し込みを断念せざるをえず困っています」と訴えます。

 病院からの言語聴覚士の募集数は、昨年と比べ減っており早めに就職活動をしている人が多いといいます。松本さんは「コロナ禍で病院経営が悪化しているため雇う余力がないと聞きました。病院以外でも労働条件などを気にしなければ就職先はあるが…」と今後の進路をどうするか悩んでいます。

 4月からすべての講義がオンラインになり「言語聴覚士は人と関わることも大事な学びになるのに友だちや先生との対話がないのがつらい。一人暮らしでの自粛でストレスがたまる上に課題が次から次に増え続け、期限に迫られ精神的な面でしんどかった」と振り返ります。

 9月から対面式の演習が始まりましたが、オンライン授業は後期も続くといいます。松本さんは「大学に普通に通えれば精神的な負担もなく、生活リズムもつくられるので健康的に過ごせると思う」と話します。

 東京都三鷹市の大学院1年生の川上美帆さん(23)=仮名=は「人間教育」をテーマに研究しています。しかし「コロナ禍で国内外の教育現場を見学することが難しくなりました。この2年で自分がしたい研究ができるのか」と不安をもらします。

ストレスで

 4月から川上さんの弟が都内の大学に通うため仙台から上京してきましたが、講義はすべてオンライン。録画したものを配信し課題を出す先生もいたといいます。弟は友だちがいまだに一人もできず、履修科目の選択を友だちや先輩に相談する機会がないままです。「ただでさえ自粛生活のストレスがあるのに、大学生活がわからないままパソコンで対処しなくてはならないのはさらにストレスが溜まります。弟はストレスのせいか体を壊してしまいました」

 弟は川上さんと同居していますが、後期から体育の授業を受けるために週1回、大学がある八王子市まで通うことになりました。往復約1200円の交通費がかかり、定期券を買うかどうか慎重に考えているといいます。

 川上さんはこう訴えます。「コロナ禍で生活苦に陥り退学を考えている学生もいると聞きます。10万円の特別定額給付金だけでは足りません。各大学にまかせっきりではなく、国からの直接的な援助が必要です」


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