2020年9月25日(金)
旧統一協会系団体に会費
加藤官房長官 14年・16年に
反社会的活動との関係 説明責任
菅義偉政権で官房長官に就任した加藤勝信衆院議員が代表の自由民主党岡山県第5選挙区支部が、これまでに複数回、旧統一協会(世界平和統一家庭連合に改称)系の団体に会費を支払っていたことが政治資金収支報告書から分かりました。旧統一協会は霊感商法や集団結婚などの被害が、長く社会問題になっています。加藤氏が閣僚のときにも会費が支払われており、説明責任が問われます。
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収支報告書によると、同支部は2014年3月13日と16年3月27日に「会費」名目で、それぞれ1万5000円を世界平和女性連合に支出しています。16年は加藤氏が1億総活躍担当相の時です。
世界平和女性連合は統一協会の教祖・文鮮明が1992年に創立した団体で、教育関連の講演会や海外ボランティア、留学生支援などを表向きの活動にしています。旧統一協会は同団体を“窓口”にし、信者勧誘や資金集めを展開してきたとみられています。
旧統一協会が正体を隠して行う「伝道」は裁判でも違法性が指摘されており、その関連団体に会費を支出することは被害の拡大に手を貸すものといえます。
旧統一協会による違法伝道や霊感商法被害の救済に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の山口広事務局長は「公的な立場にある国会議員が旧統一協会の『隠れみの団体』である世界平和女性連合に資金を提供する行為は、霊感商法や集団結婚などの反社会的活動に賛同しているとみなされかねない」と指摘します。
旧統一協会は、高額な「献金」の強要も問題になってきました。全国弁連が2018年までの32年間に受けた旧統一協会をはじめとするカルト・スピリチュアル団体の被害相談は3万4000件、金額にして1213億5300万円にのぼっています。
山口弁護士によると、旧統一協会に親和的な国会議員は少なくとも20~30人いるとみられ、それぞれの地元での信者の勧誘で名前が利用されるなどしているといいます。
全国弁連はすべての国会議員に対し、旧統一協会やその正体を隠した各種イベントに参加・賛同しないこと、選挙で旧統一協会の信者らの支援を受けないことなどを求めています。
本紙は加藤氏に会費を支払った経緯などを文書で質問しましたが、24日までに回答はありませんでした。