しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年10月10日(土)

元会長2氏、違法性指摘

首相は要件に照らし説明を 広渡氏

学問の自由を制約する問題 大西氏

学術会議任命拒否 野党ヒアリング

 日本学術会議が推薦した6人の会員候補の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、野党は9日、国会内で野党合同ヒアリングを開き、同会議の広渡(ひろわたり)清吾元会長、大西隆元会長から意見を聞きました。両氏は、任命拒否が憲法が保障する「学問の自由」にかかわる重大問題で、日本学術会議法違反の恐れがあると指摘しました。(2氏の発言要旨)


写真

(写真)学術会議任命拒否問題の野党合同ヒアリングで発言する(左から)大西、広渡両氏=9日、国会内

 広渡氏は、任命拒否は「政治が科学に対してどう向き合うことが必要か、という根本問題に触れる問題だ」として、学問の自由を脅かす恐れを指摘。日本学術会議の会員の選考基準は、同法17条で「優れた研究又は業績のある科学者」とされていることをあげ、「『この人は会員の資格はない』と首相が言うのであれば、この要件に照らしてどうかということを言わなければいけない」「日本学術会議法に反した判断に導く恐れのある首相の行動は誤っているとしかいいようがない」と述べました。

 大西氏は、日本学術会議の会員選考過程について説明し、「法律に書いている選考基準とは違う基準が適用されて、任命が拒否されたとなれば、法律違反になる」と指摘。「今回の問題は、学問の自由を制約する問題として考えていく必要がある」と述べました。

 質疑では、2011年に日本学術会議の会長を務めた広渡氏、11年から17年まで会長を務めた大西氏の会長在任中、同会議に政治が介入したことがあったのかと問われ、広渡氏は「私自身が認知している範囲では起こっていない」と回答。大西氏は16年の補充人事案に官邸から難色が示され、補充を断念したことを明らかにしました。さらに、17年の定期人事では、同会議が推薦した105人がそのまま任命されたとしつつ、改選数の105人より多い推薦名簿を事前に官邸側に示し、説明していたことも明らかにしました。

 大西氏は16年の補充人事に官邸側が難色を示したことについて、「理由は明かされなかった」と述べました。


pageup