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2020年10月14日(水)

なくすな大阪市

「都」構想の危険告発

学者が立場超え所見次々

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(写真)「大阪都」構想の危険性について所見を表明する学者=11日、大阪市浪速区

 大阪市を廃止し四つの特別区に分割する「大阪都」構想の住民投票(11月1日投票)をめぐり、立場や専門を超えた学者たちが「都」構想の危険性を明らかにする所見を発表しました。藤井聡京都大学教授と森裕之立命館大学教授が9月17日から呼びかけを始め、趣旨に賛同し所見を寄稿した学者は130人となりました(10日現在)。その一部を紹介します。

 関西大学の鶴田廣巳名誉教授(財政学)は大阪市の財源の多くが「都」(府)に吸い上げられると指摘。「もたらされるのはサービスの切捨てと住民の困惑・不安だけだ」と批判しています。

 関西学院大学の北山俊哉教授(行政学・地方自治論)は「都」構想の大義名分である二重行政の解消について「行政の重複を極限まで縮小化すると、危機が襲った場合の対応能力が著しく低下する」と指摘。木村收阪南大学元教授(地方財政学)は「大阪市は多様な事務事業を総合的に展開する行政体として定着している。廃止・分割しなければならない理由はない」と主張しています。

 大阪市立大学の朴一教授(国際経済学)は「都」構想の中に「外国籍住民の声を反映させる仕組みが全く見られない」と告発。小野田正利大阪大学名誉教授(教育学)は「学校設置運営に関わる学校の条件整備も、特別区ごとで大きな差異が生まれ、より劣化し貧弱になる」と警告しました。

 コロナ禍での住民投票に警鐘を鳴らす声も。亀岡照子大阪健康福祉短期大学講師(公衆衛生学)は、「都」構想よりも「市民を守ることが必要だ」と訴え。元橋利恵大阪大学助教(社会学・ジェンダー論)は、コロナ禍で女性の負担増が深刻になる中で「住民投票の決行は理にかなっていない」と批判しました。

 全ての学者所見は藤井氏のホームページ(satoshi-fujii.com)で公表しています。


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