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2020年10月28日(水)

中四国最大歓楽街にPCR拠点 広島県

飲食店従業員対象に実施

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(写真)PCR検査を行う「流川積極ガード診療所」の入り口=広島市内

 広島県はこのほど、新型コロナウイルス感染症対策として、中四国最大の歓楽街・広島市流川(ながれかわ)に無症状者も対象とするPCR検査を実施する臨時診療所「流川積極ガード診療所」を開設しました。全国的にも先進的な取り組みです。

 診療所は流川・薬研堀(やげんぼり)地区の新天地公園内の集会所に設置。西部保健所広島支所の医師1人と看護師2人の体制で、診察と唾液によるPCR検査を1時間で10人実施可能です。

 主に熱やせき、体のだるさなどの症状がある飲食店従業員が対象。12日~12月28日まで毎週月曜日の午後4~8時に、事前予約の上で受診します。診療は自己負担(6歳から70歳未満は3割負担)がありますが、PCR検査(行政検査)に自己負担はありません。設置費用は約1・5億円。19日には36人が来訪し32人が検査を受けました。

 同県は今後、新型コロナや季節性インフルエンザの感染者が増えた場合、無症状者も含め、地域全体の網羅的な検査に拡大することも想定しています。

 また県は、県内の介護施設でクラスター(感染者集団)が発生し、福祉サービスの提供が困難になった事態を受け、要介護度と障害の程度の高い人、重度・重複障害児などに対応する475施設の職員計1万8607人を対象に、症状の有無にかかわらず月1回の抗原検査を行います。

 これら2事業は国の地方創生臨時交付金を活用するため、12月までの期限を区切った事業です。県担当者は「感染のまん延に備え、無症状感染者の把握と保護には積極的な検査が必要です。広島県だけでは財政的に限界があります。国がきちんと予算をつけてほしい」と話します。

 (土屋知紀)

国が財源保障を

 日本共産党の辻恒雄県議の話 歓楽街の面的なPCR検査の実施を視野に入れていることは評価できます。また、医療・福祉従事者への検査は、議会で繰り返し要求してきました。事業は現状で3カ月ですが、継続が必要です。積極的なPCR検査を行い、検査で陽性者が出た場合、追跡調査のための人員体制の拡充も不可欠です。国の財源保障がどうしても必要です。全額国庫負担による検査の仕組みをつくるべきです。


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