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2020年11月4日(水)

学術会議問題と菅政権の本質

『サンデー毎日』 志位委員長インタビュー

“民主主義への挑戦”

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(写真)11月15日号(11月2日発売)『サンデー毎日』志位和夫委員長インタビュー

 11月15日号(11月2日発売)の『サンデー毎日』の「倉重篤郎のニュース最前線」で日本共産党の志位和夫委員長のインタビューが掲載されています。記事のタイトルは「志位和夫が読み抜く 学術会議問題と菅政権の本質」。志位氏はこの中で、菅義偉首相による日本学術会議会員6人の任命拒否の問題点を法律論や憲法との関係、歴史などのそもそもから縦横に解明し、「(任命拒否を)撤回させる。徹底的にやります。国会でもやるが、世論で包囲する国民運動も起こそうと思っています」と決意を語っています。

 インタビューの冒頭、倉重氏は任命拒否問題に対し、「何よりも国民世論、草の根からの批判が広がっている。菅政権もさすがにこの問題からは逃れられまい」と指摘。「下手を打つと、政権の屋台骨を揺るがすような問題になりかねない」と述べています。志位氏をナビゲーターにした理由として、問題発覚が「赤旗」の特ダネであり、思想弾圧の受難の歴史を持つ党の代表であることをあげ、「問題を重層的に整理したい」と提起しています。

 志位氏は、菅首相による任命拒否の法理上の問題点を、(1)わが国の法治主義、法に対する支配への挑戦(2)学問の自由、思想、表現の自由という基本的人権の中の核心部分をなす精神的自由に対する挑戦―という2点に整理。日本学術会議法の関係条文を挙げ、同会議が政府から独立した機関であることを幾重にも保障していることを紹介しています。

 国会などで“任命権”を強調する菅首相の言い分に対し、政府は「一貫して学術会議の推薦に対し、任命を拒否することはあり得ないと言ってきた。立法府で解釈が確定したものを行政府が勝手にひっくり返したということになると、国会での議論は意味をなさなくなる」と喝破しました。

 任命拒否の問題と憲法との関係について問われた志位氏は、「学術会議の独立性を保障した背景には、憲法23条の学問の自由がある」と強調。「学問の自由の保障とは、真理を探究する上で不可欠な学問の独立性を時の政治権力の干渉、介入を排して守ることだ」、「学問の自由は、個々の科学者に対してだけでなく、大学、学会など科学者の自律的集団に対しても保障される必要がある」と述べ、「理由を示さず任命拒否をすれば萎縮が起き、自由な学問研究に障害が生まれる。学術会議の自主性の破壊は、学問の自由の破壊そのものだ」と指摘しています。

 倉重氏は23条を「日本特有だ」と指摘しています。志位氏は、日本国憲法で学問の自由が独立した条項として書かれた経緯を、戦前の日本が特定の学問を異端視、排斥、弾圧することで戦争に踏み込んでいった歴史を振り返ることで解明。「調べて驚いたのは、学術会議の前身であった学術研究会議という組織の運命だ」として、同会議が任命制となることで、御用機関化していったこと、「勤労管理」「熱帯医学」「電波兵器」など10の特別委がつくられ、丸ごと戦争に動員されていったことなどの経過を紹介しました。

 その上で、「この反省の上に日本学術会議がスタート、3回にわたり軍事研究に反対する決議を挙げてきたわけで、菅政権の一連の対応はこの原点を踏みつけにするものだ」と批判しました。

 インタビューで志位氏は、新型コロナウイルス感染症対策や「森友・加計疑惑」の真相究明、脱炭素社会への転換、解散・総選挙に臨む野党の姿勢などについても言及。この中で、野党間での政権の協力について問われ、「この5年間ずっと話し合いをしてきたし、実際に共闘してきたから、ずいぶんと共通の認識ができている。もう少しのところで、合意まで到達できる」と述べています。


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