2020年11月5日(木)
撤回まで頑張りぬく
学術会議任命拒否 志位委員長が会見
|
日本共産党の志位和夫委員長は4日、国会内で記者会見し、衆院予算委員会で追及した日本学術会議推薦会員候補の任命拒否問題についての菅義偉首相の答弁について、「任命拒否の理由が崩れ、日本学術会議法への違反、憲法23条の学問の自由への違反も明らになった」「さまざまな角度から任命拒否の道理のなさが明らかになった。立論の根幹部分が総崩れになった」と指摘しました。
志位氏は、首相が国民の公務員選定・罷免権を定めた憲法15条1項を持ち出し「必ず推薦のとおり任命しなければならないというわけではないというのは、内閣法制局の了解を得た一貫した政府の立場だ」と繰り返したが、「内閣法制局の了解は2年前だという答弁だった。一貫した立場どころか、2年前にこっそり国民からも、国会からも、学術会議からも隠れてやった法解釈改ざんだ」「実際は、『形式的任命』であり、『拒否できない』というのが一貫した答弁=政府の法解釈だった。(任命拒否は)違憲、違法だということが明瞭になった」と指摘しました。
そして、1983年の日本学術会議法改定時に政府が「形式的な任命」であり「任命拒否はしない」とした一連の法解釈を維持するかと何度聞いても、維持するともしないとも言わなかったと指摘。「これでは法治国家だと言えなくなる。法の安定性もなくなる。本当に深刻な矛盾が露呈した」と強調しました。
その上で、「総合的、俯瞰(ふかん)的活動」の確保や、首相がにわかに言い出した「一部の大学に偏っている」「私立大が少ない」などもぜんぶ理屈が成り立たなくなったと指摘。にもかかわらず、「個々人の人事の問題」だから答えられないと繰り返したのは「答弁拒否だ」と厳しく批判しました。
志位氏は、「われわれの孫子の世代に重大な禍根を残し、日本の歴史の分水嶺(れい)になりかねない問題だ」として、「さらに追撃の論戦を行い、国民世論を大きく広げ、必ず任命拒否の撤回に追い込むまで頑張りぬきたい」と表明しました。