2020年11月6日(金)
大阪市 「広域一元化」条例策す
松井市長“「都」構想の対案”
来年2月議会に
大阪市の松井一郎市長(大阪維新の会代表)は5日、市役所内で記者会見し、「広域行政一元化」条例案を来年の2月議会に提出すると表明しました。先の住民投票(1日投開票)で大阪市を廃止・分割する「大阪都」構想が否決されたことを受け、松井氏は「これが(否決された)『都』構想の維新としての対案だ」と述べました。
維新の「都」構想は、大阪市を廃止し権限と財源を「都(府)」に吸い上げ、カジノ誘致のための「夢洲(ゆめしま)」開発をはじめ大型事業など広域行政の権限を「1人の指揮官(知事)」に一元化することが狙いでした。すでに「バーチャル都構想」として港湾局の統合、新型コロナ対策の府への一元化、大学、病院、公衆衛生研究所の統廃合など計画・推進されてきました。住民投票で大阪市廃止が否決された下で、大阪市を残したまま、条例で広域行政の権限を知事に移し、すでに進んでいる統合などの「一元化」を元に戻すことに縛りをかけようというものです。「広域一元化」「府市一体」のルールづくりは副首都推進局が担当することになります。
住民投票で否決されたら今度は、維新と公明で過半数を握る市議会で可決できる条例によって「広域一元化」を強行する考え。松井氏は会見で、大阪市を残したままの「総合区8区案」を公明党から提案することも促しました。
大阪府の吉村洋文知事も同日夕、記者団に「府市が広域行政を一体でやっていく条例案を、来年2月の定例府議会に提出したい」と述べました。