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2020年11月18日(水)

テレワーク 長時間労働招く

原則禁止に反し6割残業可

 テレワークを導入している企業のうち59・1%が時間外労働を認めているとのアンケート結果を厚生労働省が16日、公表しました。同省の指針では、長時間労働を防ぐため深夜・休日労働とあわせて原則禁止とするよう例示しており、指針が守られない実態が明らかになりました。


厚労省調査

 調査によると、テレワークを認めている企業のうち時間外労働を認めているのは59・1%で、認めていないのは23・1%でした。深夜労働は41・3%、休日労働は44・9%が認めていました。

 時間外労働を認める理由は「オフィス勤務者にも認めている」が74・5%と最多で、「その時間帯でないと行えない業務がある」が25・6%と続きました。

 逆に認めない理由については、「労働時間管理ができない」49・5%、「健康に悪影響」24・6%でした。

 労働時間の管理は、「労働者がメールで報告」が40・9%、電子出勤簿に「自己申告」が34・4%。実際に働いた時間より短く報告するのは、時間外で10・3%あり、その理由は「作業に専念できない時間があった」53・1%、「報告しにくい雰囲気がある」30・1%でした。長時間労働やサービス残業につながっていることが分かりました。

 調査は8~10月に実施。企業3788社と労働者4184人から回答がありました。

労働時間管理あいまい 成果に追い立てられる

労働者の声

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コロナ禍でテレワークする人が増えていますが…

 在宅勤務・テレワークになっている労働者たちから、労働時間管理があいまいになり、成果主義で長時間労働に追い立てられるという声があがっています。

 9割の従業員が在宅勤務になっている日本IBMでは、IT技術者は社内ネットワークに要員募集が出ているプロジェクトを探して応募し、仕事をしています。プロジェクトに参加した稼働率で成果主義の成績がつくため、必死に仕事をさがします。

 JMITU(日本金属製造情報通信労働組合)日本IBM支部は、成績を気にして深夜残業や休日労働を申請しない労働者が多く、在宅勤務で労働時間管理がゆるくなっていると問題視。団体交渉では会社側からも「(従業員が)家で働きすぎて倒れたらどうしようかと思っている」との発言が出ています。

 NECでは電機労働者懇談会などが在宅勤務のアンケートを実施。「パソコン画面から離れる時間が少なくなり、無理して残業してしまう」「仕事ぶりがみえないので、成果だけではかられる。上司に認められないのではと不安」などの長時間労働に追い立てられています。


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