2020年11月20日(金)
熊本・川辺川ダム建設
知事 一転して容認
治水口実 山本党県議「民意でない」
7月豪雨で氾濫した熊本県・球磨川流域の治水の方向性をめぐり蒲島郁夫知事は19日、県議会全員協議会で「被害防止の『確実性』が担保されるダムを選択肢から外すことはできない」と述べ、川辺川ダム建設容認の考えを表明しました。
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川辺川ダムは、多目的ダムとして国が計画。数十年にわたる熊本県五木村(水没予定地)や下流域住民などの反対運動の中、ダム中止を求める住民側が提案した「ダム中止・代替案」と「ダム建設」についての住民討論集会や53カ所の住民説明会などを経て、2008年に蒲島知事がダム計画の白紙撤回を表明していたものです。
今回の知事の表明に対し日本共産党の山本伸裕県議は「決して民意をくみ取っているとはいえない」と指摘。住民討論集会は01年から9回、1万2000人もの参加で開かれてきた経緯に対し、今回の豪雨災害後の検証委員会や治水協議会はダム建設促進派で固め、住民の声や学者・専門家の意見が反映されていないとし、検証と協議をやり直すよう求めました。
緊急放流の危険性やダムの環境に対する負荷の問題に加え「今ダムをつくるかどうかを急いで決めることが住民に対立をもたらす」と強調しました。
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蒲島知事は集会の開催について「とにかくたくさんの人に言いたいことを言わせることが、私が思う解決点ではない」とダム建設を正当化しました。
くまもと民主連合の鎌田聡県議は「瀬戸石ダムによって被害が拡大したとの指摘に対する検証も終わっていない」と強調しました。